【 一般山行 】 別山 ( 2,399.3m Ⅱ△ ) SK
- 日程:2024年6月1日(土) 晴のち曇
- 参加者:L.SK、KM、ST、SM、NY、MY、MM、YC
- 行程:大垣(集合)4:00=市ノ瀬ビジターセンター(駐車)6:55…猿壁登山口7:25…チブリ尾根避難小屋10:55~11:10…御舎利山(昼食)12:45~13:15…別山13:35~13:50…御舎利山14:05…チブリ尾根避難小屋15:10…猿壁登山口17:40…市ノ瀬ビジターセンター17:55=(勝山市で夕食、入浴後帰路)
- 地理院地図 2.5万図:加賀市ノ瀬、白山
6月1日~2日、石徹白から美濃禅定道・三ノ峰避難小屋泊にて別山を往復する計画だったが、あいにく2日は雨の予報。昨年も同様で、銚子ヶ峰日帰りに変更した経緯がある。
再チャレンジの今年は、少々の雨なら決行を考えたものの、2日目のちょうど標高が高い部分で雨となる予報なので、やはり1日しか無理と判断。リーダーは悩ましい。
そんな中、「とにかく別山には登りたい」の声があったので、日帰り可能な石川県側の市ノ瀬から猿壁登山口でチブリ尾根を詰める別山日帰りルートに予定を変更して催行することにした。
「別山・市ノ瀬道」とも呼ばれるこのルートは、往復約9時間30分の長丁場。避難小屋泊ではないので、荷物は軽くなるけれど、これほどの歩行時間を経験していないメンバーも複数いる。しかも、登山口が遠いので、登山開始時刻が遅目になる分、日没まで時間的余裕が少ない。
変更計画送付時に、「コースタイムで歩く自信のない方のペースには合わせませんので(コースタイム以上にせかすことはしませんが、ピッチは後半も落ちません)、ご承知おきください。もし遅れた方は、リーダー判断でチブリ尾根避難小屋で待機してもらいます。」と、注意喚起した。
しかし、止めるというメンバーはなく、予定通り全8名のメンバーで6月1日(土)決行することに。
4:00大垣集合、市ノ瀬ビジターセンター前に駐車し、6:55登山開始。
7:25、猿壁登山口から、熊鈴を付けてチブリ尾根に取り付く。
以下、リーダーとして説明・注意喚起した内容を青字で記します。
「白山周辺は、ブナ原生林が見事なルートが多いけれど、ここチブリ尾根はその中でも、最も見事。その分クマには注意。特に、早朝や先行登山者がいそうにない時は、クマと鉢合わせにならないよう見通しが効かない場所ではホイッスルを吹くなどして。」
「(登山前の案内)美濃禅定道ルートは水場が期待できないけれど、チブリ尾根のルートは2時間くらい登るところまで水場があるので、必要以上の水は持っていかなくていい。ただし、水だけだとミネラル不足で足がつることがあるので、塩飴など用意して。」
9:25 登山開始から1時間半ほどのところに展望が開ける場所があり、残雪の白山が展望できる。
「少し早めだけど、小休止します。最高峰の剣ヶ峰は、手前の山の向こうに頭を出しているピーク。」
「チブリ尾根は、たんたんと標高を上げていくので、植生の変化を観察するにもいいです。今までずっとブナやミズナラが中心だったけれど、標高1,600mくらいのこのへんからは、ダケカンバが登場します。向こうに見えるのは、右手が大長山(1,671m)、左が赤兎山(1,629m)で、2山の間を白山越前禅定道の小原峠が通ってます。」
たんたんとした登りを、皆でしりとりで気を紛らわしながら進む。
ダケカンバ白山林を抜け、ササ原とオオシラビソの混じる地帯となると、展望が開ける。
10:55~11:10 チブリ尾根避難小屋で大休止。「体調はどんなですか?」
皆に確認したところ、ここまでは、登山道が急登にならないようジグザグに取られているおかげで、ばてたメンバーはなかった。
しかし、小屋を過ぎると、ジグザグには切られてはいても問答無用の急登が続き、メンバーの中には苦しそうな人も。
今回リーダーとして、装備としてアイゼン・ピッケルを持ってきてもらうか悩んだ。
アイゼンは1㎏ほど、ピッケルは0.5㎏ほど、長丁場では無視できない重量。
しかし、先週のネット情報では「雪渓部分、登りはチェーンスパイクだったが、下りはアイゼンがほしかった」とある。
この数日前の大雨で、たぶんいらなくなっているとは思うけれど、もしもの時もあるので、ピッケルは不要、アイゼン持参とした。このへんも、リーダーの悩みどころ。
やはり、「雪渓」なんて言う規模のものはなかったけれど、それでも滑ると100mくらい滑落する箇所はあった。
「はい、ここから雪の上を横断します。アイゼンは出さなくていいけど、その前に小休止するので水分補給して気を引き締めて。一歩一歩きちんとキックステップしていくように。」(画像は下山時のもの)
12:45 別山直前の御舎利山で主稜線に合流。皆の疲労度を確認。眠たいという人もあって、おそらく早朝出発故の睡眠不足だけでなく、高山病の初期症状も出ているみたい。
「別山まで、コースタイムであと10分ほどだけど、ここで13:15まで昼食休憩します。荷物をここに置いて山頂を往復しましょう。」
デポする時は、盗難のリスクもあるので、他の登山者の有無など状況判断もいるでしょう。
白山側は、雲がかかってきた。
「それじゃあ、雲で半分見えないけれど、集合写真撮っておきますか。山の場合、撮れる時に撮っておくのが大事。」
結局この後、白山は姿を見せてくれなかった。
空身で別山山頂を目指す。
13:35 別山山頂到着。白山側の眺望は得られなかったが、石徹白側は何とかまだ雲がかかっていない。
「銚子ヶ峰から、一、二、ときてあそこが三ノ峰。そして池が見えるのが別山平。あの池は御手洗池(みたらしいけ)といってみそぎをしてから別山に登ったところで、岩室も残っています。三ノ峰は福井県の最高峰で、福井県側の刈込池から日帰りもできるので、また別途計画してもいいね。」
13:50下山開始、14:05御舎利山で荷物を背負う。
チブリ尾根避難小屋近くまで下山したところ、「眠くなくなった」とのこと。やはり高山ゆえの症状だったんでしょう。
5:55 日没より前に、脱落者もなく無事に市ノ瀬ビジターセンター前に帰着。
「こんなに歩いたのは初めて」「足の皮がおかしくなった」とかいう声もあったが、皆さん手ごたえを感じておられたよう。
リーダーとしては一安心の山行でありました。
おまけに、山の花の画像を。やはり6月の白山連峰は、花の山でありました。
最近は、AIで画像を貼り付けて花の名を検索できるようになり、「サイハイラン」なんてマイナーな花を、一発で検索できた。
しかし、黄色いすみれを「キジムシロ」としたり、まだ精度は今一歩。
AIを無視するのではなく、かといって妄信するのでもなく、ヒトの経験や判断力も活かしながら、知見の幅を広げていくのが、楽しいんではないだろうか。
コメント