【 一般山行 】 鳳凰山地蔵ヶ岳 SK
- 日程:2025年5月3日(土)~ 4日(日) 天候 3日 快晴 4日 山上暴風、曇時々晴
- 参加者:L.SD、SL.NH、IK、KM、SK、SM、TK、NY、MY、WY
- 行程:
3日 三城交番西駐車場(集合)2日23:00=御座石鉱泉3日2:30着、仮眠後5:00-旭岳7:45-燕頭山8:30-鳳凰小屋11:00~11:45-地蔵ヶ岳13:45~14:05-鳳凰小屋15:00(泊)
4日 鳳凰小屋6:30-燕頭山8:20~8:30-御座石鉱泉11:50=むかわの湯(入浴)=三城交番西駐車場(解散)17:30 - 地理院地図 2.5万図:鳳凰山
鳳凰山は、オベリスク(地蔵仏)と呼ばれる巨大な尖塔のある地蔵ヶ岳(2,764m)・最高峰の観音ヶ岳(2,841m)・双耳峰となった薬師ヶ岳(2,780m)を中心に構成され、鳳凰三山とも呼ばれる。
山名の由来は、地蔵仏が鳥のくちばし、山稜が鳥の羽を広げた姿に見えることから、「おおとり」「鳳凰」となっていったとする説が有力とのこと。
ちなみに、観音ヶ岳、薬師ヶ岳は、以前、観音岳、薬師岳という山名だったものが、2005年に岳人に周知されることなく、「関係自治体の申請により」変更され、山岳界ではニュースになった。
今回は、Sさんをリーダーに、総勢10名が参加。
2日夜23:00地元大垣を出発、3日早朝2:30登山口の御座石鉱泉に到着、仮眠して5:00に出発。

登山口が1,080mくらい、そこからまずは燕頭山(つばくろやま:2,105m)まで標高差1,000mあまりを一気に登る。
睡眠不足に急登がこたえるけれど、広葉樹林の新緑にモミやカツラの巨木がみられ、時々立ち止まっては梢をほれぼれと見上げる。

途中、7:45に通過した旭岳というピークには、猿田彦神を祀る石祠があった。
8:30、燕頭山(2,105m)に到着。鳳凰三山の白い山容が見えてくる。何とか標高差千mを登り切り、小休止。
このあと、標高差千メートルを超す登高に睡眠不足も加わってか、Tさん、Wさんが遅れがちになり、サブリーダーNさんと3名で後続することに。

登山道から、鳳凰三山の山容がよく眺められるようになり、雲ひとつない快晴に、地蔵ヶ岳(画像右)の山頂のオベリスクが突き立つ。
今回の山行では当初、会の日頃のクライミング訓練の成果を確かめるため、オベリスクに登ることを計画していた。
しかし、鳳凰小屋に確認したところ、直前に25㎝の降雪、その前にも20㎝の降雪があったとのことで、中止となった。

広大な裾野を引く八ヶ岳や蓼科山も、近年のゴールデンウィークでは珍しく、真っ白な頂きを並べている。

剱岳や槍ヶ岳が見えるスポットもあり、山座同定の実力を試されるところ。

積雪は40㎝ちかくあり、岩の下の斜面などでは、滑落に注意しつつ巻いていく。

富士見岩という、谷の上に開けた場所からは、観音ヶ岳の全容が眺められる。

そして、富士見の名のとおり、谷の向こうに富士山が完全無欠の姿で遥拝できた。

11:00、予定通り鳳凰小屋に到着。後続の3名もそれほど遅れずに到着できてよかった。
テント組4名がテントを設営する間、小屋組6名は体を休め、12:45地蔵ヶ岳に向け出発。

途中からは、元気な6名は先行し、バテ気味な二人を前後にはさむ後続隊4名はゆっくり登高。
樹林帯を抜け、オベリスクが目の当たりになると、がぜん元気が出る。

見上げると、先発隊は、オベリスクの基部まで登っていた。
この日のために、小川山でトレーニングしてきたSリーダーは、さぞかし登りたかったことでしょう。

何とかオベリスクの下で全員合流でき、10名で記念撮影。

地蔵ヶ岳には、石の地蔵がいくつも並ぶ。
地蔵を借りて帰り、子供が産まれたら2体にして返すという風習があるのだとか。

花崗岩の岩稜の向こうには、甲斐駒ヶ岳(2,967m)やアサヨ峰(2,799m)も眺められた。

観音岳を眺めながら全員で下山にかかる。
小屋の管理人の話だと、明日は風速20mを超す大風になるとのことで、計画では翌4日に観音ヶ岳、薬師ヶ岳に登る予定だったけれども、中止を余儀なくされそう。
今日のうちに、しっかり目に焼き付けておく。

翌4日。やはり夜半から雨混じりの暴風で、テント組は大変だったよう。
観音ヶ岳方面を目指すには、ピッケルがないと難しいようで、登頂は断念する。

6:30、アイゼンを履いて、小屋を後に。お世話になりました。

下山も慎重にステップを刻んでいく。登攀訓練はできなかったけれど、アイゼン歩行のいい訓練にはなった。

大変だった登りとはうって変わり、全員で快調に下り、雪の世界から、新緑の世界へのグラデーションを楽しみつつ、10:50御座石鉱泉に帰着。
鉱泉は閉業しており、武川町のむかわの湯で汗を流し、観音坂食堂という食堂でソースかつ丼などで空腹を満たし、さほど渋滞に巻き込まれることもなく、無事帰ることができた。
富士山、甲斐駒、八ヶ岳など名だたる山を、黄砂前のひときわ白い姿で拝することができ、楽しいゴールデンウィークの山行だった。Sリーダーありがとうございました。


コメント