月報「わっぱ」 2024年6月(No.511)
【 一般山行(春山ミニ合宿) 】 唐松岳 ( 2695.9m Ⅱ△ ) KT
- 日程:2024年5月3日(金・祝)~4日(土・祝)
- 参加者:CL.NH、SL.NT、KM、KT、KF、SD、SK、NY、HT、HM、MY、YC
- 行程:後述
- 地理院地図2.5万図:白馬町(富山4-4)[北緯36°41′、東経137°45′]
5月3日(金、祝)(快晴)
- 三城交番駐車場3:00=名神安八SIC=長野道安曇野IC=八方尾根スキー場駐車場8:00=リフト終点登山口9:00-(八方尾根)-唐松山荘13:00~13:25-唐松岳13:45-唐松山荘14:30(泊)
会に入会し3年目の今年1月から雪山に挑戦。2月の八ヶ岳アイゼン訓練に参加。そして春山にも挑戦したく、今回参加しました。
今年は例年に比べ季節外れの夏日になる日が多く、高速道路を走っていても3000m級の山々の積雪量が少し少ないように感じました。何度か休憩を取り八方尾根スキー場の駐車場に到着すると雲一つない晴天に恵まれ、思っていたよりも暑いと感じました。
荷物をまとめてゴンドラとリフトを3回乗り換え、標高1830mまで一気に上がると、冷たい風に吹かれ下界とは別世界でした。丹生理事長を先頭に12人で唐松山荘を目指しました。
雪もなく整備された登山道を登っていくと、少し柔らかい雪質の平原が現れ、右側に白馬三山、左側には五龍岳が見えました。そして第一ケルンが現れ、多くの登山者がケルンを囲んで写真を撮っていました。
幾つものケルンを越えるとあの美しい八方池が現れるはずでしたが、雪に埋もれて見る事が出来ず残念でした。八方池を過ぎると八方尾根が始まり、本格的な登山道となり雪道が始まりました。急な斜面を登りきると木々の少ない雰囲気の山ですが、大きなダケカンバが現れびっくりしました。
休憩中に一番厳しい急登に備えて僕のような若い会員はアイゼンを装着し登る事にしました。滑って滑落したときに備え、先輩方が後方で待機していてくださり安全に登る事ができました。その後雪も緩んできたのでアイゼンは外しました。
長い隊列だと他の登山者に迷惑がかかる恐れがある為2組に分かれて山荘を目指す事にしました。途中、雷鳥の鳴き声がして目の前を飛んでいくのが見え、SDさんが追いかけてハイマツの中へ入っていき見事カメラに雷鳥を捉えることに成功しました。
岩場を越えて山荘直前に今回の一番の難所が現れました。安全の為にロープが張ってありましたが足元が雪で滑りやすくとても危険な場所でした。緊張が走りましたがロープを掴み一人ずつ一歩一歩慎重に上り全員無事に登りきることができホッとしました。登りきると目の前に大きな剱岳と立山が現れ、今までの苦労が報われました。
山荘にリュックをデポして唐松岳の山頂を目指しました。山頂までは思っていたより急で、岩がゴロゴロしていて一部に残雪もありましたが、アイゼンを装着するほどでもなく無事に登る事ができました。
山頂は360度のパノラマが広がっていました。西に立山連峰と剱岳、南北に続く後立山連峰の山々、南遠くに穂高や槍ヶ岳、近くに五龍岳、北には日本海が見えました。集合写真を撮り山荘に向かう途中にまた雷鳥が現れ、手の届く距離で撮影する事ができました。

14時半には山荘に到着し、夕食まで皆で雑談をして過ごしました。夕食も美味しく晴天に恵まれた良い1日になりました。
5月4日(土、祝)(快晴)
- 唐松山荘4:30-唐松岳4:55-唐松山荘5:30~8:15-(八方尾根)-リフト乗り場11:40=八方尾根スキー場駐車場12:30=長野道安曇野IC=名神安八SIC=三城交番駐車場19:50(解散)
夜中に凄い風が吹いていましたが、2日目の朝は思っていたよりも寒くなく、4時に起床して4時半に五龍組を見送り、僕らは日の出を見に再度唐松岳の山頂に登りました。東の浅間山の方向から赤く輝く美しい太陽が姿を現し、白馬岳や剱岳が薄いモルゲンロートになり輝いていました。
山荘に戻り美味しい朝食を済ませ、出発前に隣の小さなピークに登り岩登り訓練をしてきました。下山中に丹生理事長から、急な斜面でのピッケルを使ったアイゼン無しでキックステップによる歩き方、ピッケルの持ち方など滑落停止につながる動作やアイゼンを装着してのピッケルの使用時の違いなどを教えて頂きました。ピッケルが命を守る一番大切な道具だということが改めてわかりました。滑落防止訓練は行う場所がなかったため、今回はできませんでした。
丹生理事長が五龍組と定期的に無線で連絡の取り合いをしていました。途中交信が途絶えて皆が心配する場面もありましたが、無事に連絡が取れた時には安堵しました。
八方池の辺りまで下山してくると、タキシードと白いドレスを着た新郎新婦が結婚式をしている姿も見えたり、色鮮やかなパラグライダーが飛んでいたりと賑わいをみせていました。
下山後は五龍組と合流する為に時間調整をして、白馬五竜スキー場で待ち合せしました。無事に合流し、先輩たちの元気な顔を見て安心し、また誇らしく思いました。
NHリーダーをはじめNT理事長や先輩方のお陰で無事に登る事もでき、僕ら若手の育成に尽力してくださり感謝しかありません。これからも先輩方の背中を見て学ばせて頂きたいと思います。2日間ありがとうございました。

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