【 一般山行 】 養老山 ( 858.9m Ⅰ△ ) SK
SSさんは、名古屋の方ながら奥美濃に代表される道なきヤブ山を愛され当会に入会、まさにヤブ山のエキスパートだった。病に倒れられ、いったん山にも復帰されたものの、ついに帰らぬ人となられ、その追悼登山が10月29日(日)に計画された。
当初赤兎山~大長山の計画だったが、北陸側の晩秋の不安的な天候で、野坂岳に変更、さらに当日朝養老山に再変更。メンバー16名で、養老の滝の入口の無料駐車場から7:30登山開始。
太平洋側はすこぶるの快晴である。
養老の滝。地元では知らぬ人のない観光地で、メンバーの多くが幼い頃の懐かしい思い出を語り合う。滝脇の道を登って出た有料駐車場が登山口となり、登山届を出す。
しばらく林道を進むと分岐があり、右手の直進は、もみじ峠を経て笙ケ岳に向かうルート。われわれは左手に折れ、養老山をめざす。
養老の滝の上流にあたる沢をまたぐ。
沢の上手には、大きな石組がある。
これは、明治初期オランダの技師で、日本の川を甦らせたヨハニス・デ・レイケの設計によるもの。
対岸に渡ると、ジグザグの登山道となる。養老山というと養老公園の延長のように思い甘く見がちだが、濃尾平野の西端に、養老-桑名-四日市断層帯による逆断層活動で形成された山なので、標高は900mにも満たないながら、なかなかの急登。この周辺で滑落死も発生しているので気は抜けない。
途中、平野側に張り出した三方山(720m)に立ち寄る。濃尾平野と木曽三川、その水源となる周辺の山々の展望がほしいまま。
笹原峠で養老山地の稜線上に出ると、アップダウンはゆるやかになり、あずま屋のある小倉山(841m)を通過。この周辺もシカがしっかりササなどを食い尽くしている。
小倉山を越えてしばらく進むと、右手に無舗装の林道、左手に「養老山」の標識のある分岐に出る。今回は林道を進む。こちらの方が、歩きやすく西や南の展望もいい。
10:00 養老山に到着。一等三角点ながら、三角点周辺は樹林に覆われ、今は全く見晴らしがきかない。
山頂直下の見晴らしのいい林道の平らなところで、SSさんの遺影にワンカップを備え、追悼式を行う。
今日はどうしてもご都合で出席できなかった理事長の心のこもった哀悼の辞に、皆ほろりとする。
この場所からは北に霊仙山(1094m)その背後に琵琶湖、さらに奥にSSさんの愛された滋賀・福井・美濃の山々が。
西から南にかけては、御池岳(1,247m)から藤原岳、そして御在所岳(1,209m)、奥に鋭い鎌ヶ岳(1,161m)、そして伊勢湾が。
養老山を後に、小倉山を経て下りかけると、東から北にかけてのパノラマが展開。能郷白山、屏風山、高賀山、恵那山などなど、SSさんはぎふ百山も、続ぎふ百山も完登されていたから、眼の届く限りの山ほとんどを登られたことでしょう。
帰路は、稜線を北にたどり、もみじ峠から下山にかかる。この周辺でも行方不明者が発生しているので滑落しないよう慎重に進む。
13:00 無事林道に降り立つ。13:45往路での分岐に出て、14:15無事駐車場へ。
予定変更にはなったが、SSさんの愛した多くの山々を眺めつつ、追悼山行を滞りなく終了した。
- 日程:2023年10月29日(日) 快晴
- 参加者:CL.TS、OH、OT、SD、SE、SK、TM、NH、NY、HT、FT、FM、FI、MY、MK、MT
- 行程:養老公園無料駐車場(駐車)7:30…養老の滝7:55…有料駐車場(登山届)…分岐8:05…三方山9:10…笹原峠9:20…小倉山9:40…養老山9:55~10:05…養老山山頂下(追悼式~昼食)10:10~11:00…小倉山11:15~11:30…笹原峠…もみじ峠12:50…林道出合13:10…分岐13:45…無料駐車場14:05
- 地理院地図2.5万図:養老
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