【 個人山行 】 と、ある山 NT
今年は雪解けが早く春が早く行ってしまいそうだ。水の温みを待って「と・ある山の谷」で糸を垂らしたが釣果は今一ツ、だが小滝の水音を聞き木洩れ日を浴びるだけで充分だ。
- 日程:2023年5月○○日 晴れ
- 参加者:NT(単独)
車を止めて外に出ると4℃、まだまだ早朝の山は冷え込むが山道を約1時間歩くと汗が滴った。山の斜面にフジが薄紫の房を垂らしていた。
もう少し上流まで歩いてから入渓予定だったが水音と好ポイントに誘われ我慢しきれず林道から斜面の藪を分けて降りた。餌をつけ第1投、ポイントへ!期待に胸が高鳴る。
いざ竿を出すと現実が待っている。毎週末攻められて魚も学習している、全くアタリがない。餌はバイオの虫、やはりミミズも持ってくるべきだったか早くも○○のせいにする。
忍び足で近付き小滝の落ち口にエイッ、白い泡から手前の流れに乗せたが反応なし、やはりもっと上流まで歩いてから竿を出すべきであったと場所のせいにする。
上流の落ち口に枯れ木が引っかかっている。こういう釣り辛い所が好ポイントである。虎穴に入らずんば、だが、ああ~やってしまった。水中の枝に仕掛けが絡み、おまつりだ~
支谷が滝となっておりしぶきが本谷に降り注いでいた。しぶきに木洩れ日があたり虹がかかっている。あ~癒される、しばし乾いた石に腰を下ろして朝食のおにぎりを頂いた。
対岸を見上げると山ツツジが岩場の僅かな隙間に根をおろし咲き誇っていた。その生命力に感動するとともに渓谷の中の澄んだ空気に肺も心も洗浄されるのを感じた。
絶好ポイント、大石を盾に身を潜めソ~と竿を延ばし滝の落ち口から左手前に流すイメージで狙う。突然、コツコツと確かなアタリ、手首を返すように軽く合わせた。
確かな手ごたえに、やったぜ!水面に中々姿を見せない良モノの予感に慎重に竿を立て引き寄せた。上がって来たのは20㎝オーバーの良型だった。思わず笑みがこぼれる。
思わぬ良型に次のポイントに向かう途中も自然ニヤニヤとなるが好事魔多し。足元に注意していると竿先にスキが出来て穂先がヤブに触れている。仕掛けを引っ掛け万事休す。
谷は傾斜が落ちて水音がやさしくなった。新緑のサワグルミの林が続き肺の中まで草色に染まりそうだ。苔むした大石に腰を下ろし竿を納めて今日の釣りは終了とした。
帰りの林道の楽しみは旬との出合である。枝沢が落ちている脇に白い花をつけたワサビを見つけた。葉ワサビのしょうゆ漬けが美味しい。
柔らかい土が堆積した斜面にウド、酢味噌で美味しく、若芽は天ぷらでも美味しい。
これも腐葉土が堆積した斜面にヤブレガサが笠をたたんで顔を出していた。クセがなくお浸し、天ぷらが美味しい。
ゼンマイ。背の高い左側3本は男ゼンマイ、小さな右と手前が女ゼンマイで食用は女ゼンマイだそうだ。男ゼンマイは硬く食用には向かない。同じ株から出ているので注意する。
これは猛毒のトリカブト、紫色の綺麗な花に似つかわしくない。シカが食しないからか近頃異常に多くなったと感じる。間違っても食用にしない。
谷沿いの林道には他にもワラビやセリ、ミツバがよくあるが今日の谷では見かけなかった。早い納竿だったが春の山を楽しんで満足の一日であった。完
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