大垣山岳協会

令和5年安全祈願山行・南宮山 2023.01.26

南宮山

【 週日山行(安全祈願山行) 】
南宮山 (419m Ⅱ等△) (朝倉山~南宮山~南宮大社) 丹生 統司

 当会は毎年1月に安全祈願登山を南宮山で行っており今年度は朝倉山から周回した。10年に一度の大寒波の襲来とかで心配したが雪雲は我々の安全登山の熱意にほだされ少し南へ迂回したようだ。寒くはあったが晴れ間も覗き冬の里山を楽しんだ。大社へ下山後は全員が拝殿で御祓いを受けた。今年1年、安全登山の決意を新たにした報告である。

<ルート図>
  • 日程:2023年1月26日(木)
  • 参加者:L.丹生統、岩田嘉、大谷早、柴田悦、清水友、杉本眞、竹森せ、林 旬、藤井利、藤井真、堀 義、宮川祐、宮澤健、三輪唯
  • 行程:南宮山登山者駐車地9:00-朝倉山真禅院9:14~28-朝倉山9:54-ジャンクション11:15-南宮山山頂11:59-展望台12:46~13:30-南宮大社14:43
  • 地理院地図 2.5万図:大垣

 真禅院は神仏習合時代には南宮神社内に有ったが明治初年の神仏分離によって朝倉山の麓に移された。寺伝によれば行基が創建したとされ奈良時代の梵鐘は重要文化財である。

 関ケ原合戦の兵火によって神社も三重の塔も焼失した。40年後に徳川家光によって再建され昭和52年に国の重要文化財に指定されたようだ。真禅院の見学時間を利用して集合時間に合わなかった仲間を待ったが・・・

 朝倉山へは獣害柵を越えて入山した。10分も登ると祠が有り、その後ろに大日如来と石仏が幾つか有った。神仏習合の名残か祠と石仏が隣り合っていた。

 結構な傾斜のヒノキの植林帯に道は九十九折に付けられていた。踏み跡はしっかりしており所々に目印も残されている。それなりに登山者に利用されているようだ。

 朝倉山の山頂台地に到着。ソフトボールが出来るほど広く平らでどこが山頂の高みかわからない。常緑樹の木に手作りの山名板が括られておりそこが山頂なのだろう。

 この下りの雪や凍結が心配で軽アイゼン持参をお願いした。斜面には薄く雪が載っており石や木の根を隠していた。最高齢者のI氏が大丈夫!と言い切るので下ろうとしたが数歩進んで思い止まり軽アイゼン着用を指示した。安全祈願山行でケガなど有ってはならぬ。

 ここの尾根も細くて木の根が罠を仕掛けていたが緊張を欠かさず通過した。

 主稜線に着くと尾根はヒサカキ(ビシャ)やヤブツバキ等の常緑樹と落葉樹の自然林となった。時折後方から「キャアー」と黄色い悲鳴、どうやら落雪が直撃し首筋に入ったようだ。童心に帰ったような笑い声が尾根に響き冬山と思えぬ和やかな雰囲気となった。

 ヒサカキやヤブツバキの濃い緑の葉に積もった雪が白い大輪の花を咲かせたようで綺麗だった。大垣から幾何も離れていない地に冬山の花園があったとは、我々は恵まれている。

 普段は足元にからんでうるさいブッシュが綿菓子のようなやわらかい雪の重みで静かに枝先を下にしてしおらしい。落雪と降雪を予想してザックカバーをしたが空振りとなった。

 我が会にはスギチャンが二人いるが兄貴の方を“ツヨスギ”と呼んでいる。昨年は一緒する機会が少なかったが今年は正月から拝顔出来て嬉しい。朝倉山の下降では嘗てのバランスをいささかも失っておらず会員をサポートしてくれた。ありがたい。

 小さな高みを幾つか越えて今度は山頂と思うも外れてしまう、似たような景色に騙される。

 昨年は大雪でヒサカキやヤブツバキが大量の雪を樹冠に載せて右に左に倒れ、傾き、通せん坊をした。山頂を前にして迂回を繰り返すうちに南の尾根に迷い込んだが今年はすんなり歩けて三角点広場へ抜けられた。

 山頂は既に展望台からの先行者に踏まれ雪下の落ち葉が覗き汚れていた。ここまで純白の世界を歩いて来たので少し残念だ。Ⅱ等三角点、点名・牧田村、標石柱を囲み記念撮影。

 今年の初登山三峰山、日野山は他の登山者を気にして万歳を控えていたが今日の山頂は我々だけである。遠慮も気兼ねも無縁である。今年初めての万歳の音頭は87才、最年長のI氏にお願いした。今年もI氏を目標に彼の背中を追って健康で安全な登山を目指したい。

 撮影を済ますと展望台(関ケ原の役、毛利陣跡)へ、途中三ヶ所の下りは先行者に踏まれて赤土が覗き滑りやすかった。恐る恐る足を運び何とかズボンを汚さず辿り着いた。

 展望台からは名古屋駅市街のビル群とその先に伊勢湾が昼の陽光を受けて映えているのが眺められた。展望台の東南斜面は暖かくて和やかに昼食休憩を過ごした。

 昼食休憩を終えると大社へ下山した。14名全員が拝殿への昇殿が許されて一同揃って御祓いを受けることが出来た。ありがたい。

 安全祈願をしたからといって安全が担保されるわけではない。山は非情で無常である。年に一度お参りをすることで安全を再認識、決意することは非常に大事である。今年も1年、安全登山を心掛け大いに登りましょう。完


コメント