【 個人山行 】 小山 ( 852.37m Ⅲ等△ )・タンポ ( 1065.7m Ⅰ等△ ) 丹生 統司
今冬は年が明けてから寒波の襲来が無く早くも伊吹山の尾根筋に黒いまだらが目立つようになった。暫く降雪が無いということは1月に春山気分が味わえるチャンスである。当会2024年1月に計画予定されている「小山」の偵察を兼ねてタンポまで足を延ばした。
- 日程:2023年1月17日(火) 晴れ
- 参加者:丹生統(単独)
- 行程:小津公民館駐車場7:35-小山9:53-タンポ11:39~12:10-駐車地14:58
- 地理院地図 2.5万図:樽見
小津集落公民館駐車場を出ると正面にこれから向かう尾根末端が見える。橋を渡り月尾谷に向かう道路沿いの民家の間に尾根へ取り付く道がないか捜しつつ歩いた。
民家と民家の隙間に階段が有ったので辿ると菜園への道であったが裏山から獣道が下りていた。急な竹藪の獣道を利用して登ると古い道に出た。道は荒れていたが確実に上に向かっている。所々に目印も残されており登山者に利用されているようだ。
道は長い年月に人や動物、風雨で削られ山城の堀切のようになっていた。その道を巨大なトドに似た大木が通せん坊をしていた。長い期間廃道で有ったことを示す証である。
樹間から高地谷を挟んで小津権現が朝の陽光を受けて輝いて見える。この時期にしては雪が少ない。花房も見えるのだが木々が邪魔をして旨く撮れなかった。
尾根に笹などのヤブはなく見通しも利いて快適に歩ける。コナラ系の樹木が多く秋にはキノコが期待できそうな気がした。
尾根には庭石にしたいような格好いい石が幾つも有った。茅屋(ぼうおく)の拙宅には不つり合いだが穂高の山稜のような景石には惹かれた。山桜やナラの木の根元が異常に大きなものもありこれも一見の価値あり。
標高750mで林道に出た。目指す小山852.37mが目の前に見えた。林道の法面に尾根への踏み跡が有って導かれるとヒノキの植林帯の中に作業道があった。
尾根の途中から雪が出たがツボ足で通した。山頂の細い木に黄色のテープが巻かれていた。三角点は雪の下でストックのスノーリングを外しゾンデにして付近を手あたり次第突き刺したが見つけることは出来なかった。ピッケルを持参しておれば発見出来ただろう。
小山山頂から尾根を東に進む。雪は今朝の冷え込みでツボ足でも時折足を取られる程度で埋まらなかった。雷倉が格好良かった。
目指すタンポが目の前に見えるが林道は蛇行しており目で追うよりは遠い。林道よりも蛇行の少ない尾根を登路のルートにした。雪も少なくツボ足が快調であった。
伐採した材木の集積場だったのだろうか、広場から対岸の小津権現山、花房山が木枝に邪魔されず綺麗に見えた。
林道からタンポ山頂へ延びている尾根末端の斜面である。敢えて目印を残しておいた。この手前200mからワカンを履いた。ヒノキの植林の斜面を登り切ると尾根となり左手側は植林帯、右手側は自然林となった。これを詰めて登ればタンポ山頂である。
尾根筋はかなり雑木が伐採されて以前来た時よりも歩きやすくなっていた。真北に能郷白山が見えて雷倉の右後ろに白山の真っ白い肌の山塊が有った。
南西の方向にはすぐそれと判る伊吹山が尾根を北に延ばしてブンゲンと貝月山が重なって見えていた。貝月山スキー場の白い筋を数本確認出来た。
東に御嶽山が雲の間から顔を覗かせている。右手前の三角形の山は高賀山であろう。
山頂には幾日も経っていない足跡が残されていた。南の西台山方向からでおそらく一人、よく見ると古い足跡も幾つか、年明けからの貧雪でのりこし峠まで車が入ったのかも?
昼食休憩は北風を避けて濃尾平野が一望出きる南斜面で行った。池田山から延びた尾根の先に赤坂金生山のピラミッドが確認出来てその平野の先に伊勢湾が金色に輝いている。冬の柔らかい陽射しが実に心地よく昼寝がしたくなるような山頂であった。下山は遠回りと知りつつ林道をワカン履きで辿ったが午後の陽射しで雪が緩みやはり遠かった。完
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