大垣山岳協会

横谷川・甲森谷 2022.06.05

甲森谷

月報「わっぱ」 2022年7月(No.488)

【 月例山行 】  横谷川・甲森谷  竹森 せい子

  • 日程:2022年6月5日(日)(晴れのち曇り)
  • 参加者:L.伊藤正、大谷早、加藤美、清水克、竹森せ、田中恵、中田英、廣瀬美、藤野一、村田美、吉田千
  • 行程:岐建荒尾駐車場5:00=大垣西IC=若狭美浜IC=取水口駐車地6:20~7:00-入渓7:25-甲森谷出合8:15-桂の大木8:40-滝9:25~9:55-二つ目の滝10:40-尾根上-11:00-沢出合11:25-昼食11:30~12:00-滝下降12:30~13:00-甲森谷出合14:15-一つ目の吊橋14:45-堰堤15:10-駐車地15:35=大垣17:00(解散)
  • 地理院地図 2.5万図:駄口(岐阜15-4)

 今回の山行は昨年8月の計画が悪天候で中止になったリベンジです。この山は福井県三方郡美浜町にあり、耳川水系横谷川支流の甲森谷を遡行し、芦谷山からジャツキ谷を下る予定です。梅雨入りも間近で、気がかりな天気も薄日が差してきて、夕方までは良さそうです。車は横谷川沿いの道を進み、取水口施設の駐車地に止める事が出来ました。今回が沢デビューの1人を含め11人が沢用の身支度を整え、リーダーから沢での注意点を聞いてから出発。

 林道が終わると川沿いの山道になり、ザレた急斜面もあって沢靴での歩きは慎重を要します。堰堤を降りると、そこから入渓です、最初は川幅も広く流れも穏やかで、右岸左岸と足場を確かめながらの徒渉が続きます。暫く進むとワイヤーで組まれた橋が架かっていますが、足場が傾いており、ここはスルーして流れを渡渉して通過。二つ目の吊橋は先のより酷く、ワイヤーも切れ足場も抜け落ちていました。岩場の急登やへつりには、鎖や梯子が取り付けられていて助かりました。甲森谷分岐近くには、流された鉄の橋が無残に水に洗われていました。

 下山予定のジャツキ谷を左に見て右の甲森谷に入ると、炭焼窯の跡が幾つか残っていました。炭は昔の人の生活の糧だったのでしょう。この谷は両岸に桂、トチ、沢ぐるみ等が多く、小鳥の囀りも聞こえます。ここは癒しの森だね、と仲間と話しながら歩いていると、この谷最大と思える桂の木が現れました。資料によると、幹回り12.6m。もっと太い桂は全国に多数有るそうですが、これ程多く桂の大木が林立する所は数少ないようです。

桂の大木にて

 桂にパワーを貰ってさらに進むと、標高約500m地点で5~6mの滝が出てきました。リーダーがフリーで登って設置してくれたザイルに、先週習ったクレイムハイストで確保しながら、滝を横断するように登り、シャワークライムを楽しみました。人数が多く全員が滝を登りきるのに随分時間が掛かってしまいました。

シャワークライムで滝を登る
小滝でシャワークライム

 更にその先にも滝が有って、リーダーの判断で左岸を高巻いて登ることになりました。小枝を掴みながら急斜面を必死でよじ登り、尾根上に立ちリーダーの指示を待つこと暫し。計画では806mピークに出て稜線を歩き、芦谷山(866m)への予定ですが、人数、メンバーを考えると時間的に無理と思われ、ここから引き返すことに変更。急な尾根を後ろ向きで木の根を掴んでやっと元の谷に降り立ちました。

 昼食に30分程の休憩をして12時下山開始。滝は懸垂下降で下りました。講習会の乾いた岩と濡れた滑りやすい岩との違いも体験して解りました。上りにスルーした一番目のワイヤーの橋を一人ずつ,ドキドキ、ヒヤヒヤしながら渡り、もう少しで沢も終わりです。

懸垂下降で小滝を下る
ワイヤーの橋を渡る

 時間切れで途中迄でしたが、巨樹の森と沢に癒された一日でした。出来れば桂の甘い香りを楽しみに、秋にもう一度訪れたいものです。沢筋には、ウツギやエゴの木の白い花が咲き、岩壁のイワタバコの艶やかな緑の葉を揺らす風が爽やかでした。

<ルート図>

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