月報「わっぱ」 2022年5月(No.486)
山 名 考 ( 宗教(仏教)にちなんだ山名Ⅳ )
次は神様の称号(神号)である「明神」と「権現」です。徳川家康は死後神様となり「東照大権現」と称されましたが、神号に明神を付けるか権現を付けるかで大論争になったということです。それを坊さん同士がやっているのですから、やはり神仏混淆ですね。
その明神ですが、上高地の北に聳える明神岳(2931m)が良く知られています。県内では美濃百山C級の明神山(1136m)があり、全国で明神(山、岳、森)が33山あります。
そして多いのは権現です。県内でも二等三角点の小津権現山(1158m)、芥見権現山(317m)、轡野権現山(525m)の他多数あります。三角点踏査で無名の山に登ったら権現山の山名板が立っていたところも何個所かありました。全国では権現(山、岳、森)が49山を数えます。
「天神」は旅の守り神ですから、天神峠と峠に名付けられることが多いのですが、天神(山、森、丸山)も全国で14山あります。
昨年3月から12回にわたり山名考と題して駄文を記してきました。最後に数の多い山名を探してみようと思います。
これまでの中で多いのは三国(山、岳)が36、丸(円)山が91、烏帽子(山、岳)74、そして権現(山、岳)が49などです。ほかには城山があります。昔お城のあった山に名付けられたもので、古城山を含め全国で40山ありますが、城は各地にありましたから、実際はもっとあるでしょう。
三国は地理的にこれ以上増えません。丸山は約半分が北海道です。全国の烏帽子名の山を訪ね歩いた私の友人の話から烏帽子はまだまだあると思います。三角点踏査の経験から権現もそうだと思います。ということで、城山、烏帽子、権現が多い山名ベスト3と思います。
(堀 義博)
山 名 考 ( 宗教(仏教)にちなんだ山名Ⅳ )
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