大垣山岳協会

戸倉山 2022.03.13

戸倉山

月報「わっぱ」 2022年4月(No.485)

【 月例山行 】 戸倉山 ( 1681.0m Ⅰ△ )  宮川 祐志

  • 日程:2022年3月13日(日)(曇り時々晴れ)
  • 参加者:CL.竹森せ、SL.丹生統、安藤正、尾内順、大谷早、小倉繁、金光鏡、柴田悦、清水友、杉本眞、林 旬、藤井利、藤井眞、宮川祐、宮澤健、三輪唯、山本知
  • 行程:中之江駐車場 6:00=安八SIC=駒ヶ根IC=戸倉山キャンプ場駐車地8:35~9:00=戸倉山12:00~13:00=駐車地14:30=旧木下家住宅=駒ヶ根IC=安八SIC=中之江駐車場17:50(解散)
  • 地理院地図 2.5万図:市野瀬(甲府14-4)

 戸倉山は、中央アルプス(木曽山脈)と南アルプス(赤石山脈)の中間にあり、伊那方面からは富士山のように見えることから「伊那富士」と呼ばれている山。

 1035mの駐車地は、ここ数日の春の暖かさにより心配した凍結も無く、17名で9:00登山開始。序盤から少しずつ凍結した路面があらわれ、慎重な足取りのゆっくりペースで進むこととなった。上着調整のため立ち止まった地点で、リーダーから軽アイゼン装着の指示があり、メンバーそれぞれ様々な種類の軽アイゼンで足元を安定させ、再スタートした。

 前半は、頭上に風の音は聞こえるものの、直接風を感じることはあまり無く、薄日の差し込むカラマツ林の緩やかな登りを楽しんだ。1300mあたりからは雪道となり、同時に始まった眼下に広がる急斜面を見ながらの細道では、気の抜けない歩きとなった。5合目からは看板があり、その先登りの目安を感じることができた。なお、「合目」について、帰って調べてみたが、基準はよくわからなかった。一般的には10合目が頂上だが、ウェストンも登ったという恵那神社から恵那山へ登るルートは20合目まであるようです。

 中間地点程には、展望ベンチが3段設置された「みはらしの丘」があり、伐採された木の間から伊那谷を見ながら一時休憩した。

 7合目あたりには、猿の人に対する報恩伝説の松や天狗伝説の岩があり、その後の西峰には、狼の仔が行き倒れの修験者を助けた霊犬碑があるなど、どうやら地元と密接に結びつきのある霊峰のようだ。現地には、立杭や碑以外いわれを記したものは何も無かったが、事前調べされたリーダーに説明いただいた。

 8合目の金明水(霊泉)と称する水場は、残念ながら凍結し枯れていた。隣のあずまやには、鍋、金網やテーブルなど一式が天井に備え付けられてあったが、一体誰がどういう場面で使うだろう。あずまやを過ぎたあたりからは、やや急な登りとなり、30分ほど歩いた後、無事西峰に到着した。

山頂(東峰)直下、雪道を行く

 さらに10分ほど進み、12:00ジャストに一等三角点のある戸倉山山頂(東峰)に到着、そこで集合写真を撮影し皆で登頂の達成感を共有した。期待した眺望は、残念ながら薄雲や春霞により、ネットで見るほどクリアではなかったが、アルプスの峰々を確かに感じることはできた。壮大な眺めはまた次回の楽しみとしたい。昼食は、雪の少ない西峰まで戻り、約50分間を和気あいあいに楽しんだ。

 同じ道を下山したが、雪道や凍った路面は午前ほどではなく、上りの半分ほどの約90分で全員無事駐車地に到着した。

 帰りに駒ヶ根市文化財の江戸後期(安政時代、1854~59年)の建築、旧木下家住宅を見学した。山裾を削って造成した敷地に茅葺の母屋と土蔵、物置などを配置して、庭と坂道の石垣は野面積みであった。屋敷より低い敷地に水車小屋があり、川の上流から導水していた。往時は裕福な農家であったと思われる。

 今日の戸倉山は、我々だけの貸し切り。見どころ多い穴場の山へ導いてくださった竹森リーダーには感謝するばかりである。

<ルート図>

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