月報「わっぱ」 2022年4月(No.485)
【 月例山行 】 芦倉山 ( 1716.8m Ⅲ△ ) 後藤 正雄
- 日程:2022年3月12日(土)(快晴)
- 参加者:L.大橋辰、大谷早、大塚花、後藤正、藤野一
- 行程:浅中運動公園駐車場4:00=大垣IC=白鳥IC=白山中居神社奥道路脇駐車地5:45~5:55-尾根取付き7:10~7:20-1040m林道7:55-P1221m8:35-1330m付近急登前9:25-芦倉山11:10 ~2:00-尾根取付き14:20-駐車地15:25~15:35=大垣17:20(解散)
- 地理院地図 2.5万図:石徹白(岐阜1-3) 、二ノ峰(金沢4-4)
今年は例年になく多雪である。今回、当初計画では美濃俣丸・笹ヶ峰の周回であった。しかし、実施日直前になっても広野ダムまでしか除雪されておらず、広野ダム湖奥まで車で入れそうにない。計画の目的達成が見込めないことから、目的地が石徹白の芦倉山に変更となった。
東海北陸道を北上し白鳥ICを下りる。車を進めるにつれ、道路の脇に雪が増えていく。石徹白の集落では雪に囲まれた家々ばかりで、今年の雪の多さが窺い知れる。白山中居神社までやってきた。夜も明けきらぬ時間にもかかわらず、すでに多くの車が止まっており、様々なパーティーが活動を開始し始めていた。今日の野伏ヶ岳は多くのパーティーで賑わうことであろう。我々は神社を右に折れ少し車を走らせる。5台ほど駐車できるであろうか、除雪されたスペースに止め、早速準備に取り掛かる。
6時前、ようやく明るくなりかけた頃出発。道路は一部凍結しており、転ばぬよう気を付ける。朝日添(わさびぞ)川を渡るとそこから先は除雪されていない。そこには車が1台止まっていた。駐車地の横にも1台止まっていたが、芦倉山では誰とも会うことはなかった。ともに釣り師であったのだろう。
胸の高さほどもある段差を登り、ようやく雪面に立った。保川林道はツボ足で行けるかと思ったが、2,3歩進んだだけで前言撤回、ワカンを装着した。林道にはクマの糞がところどころに転がっており、足跡もはっきりと残っている。未明から熊が活動していたかと思うと少々怖い気もする。
林道をしばらく進むと私の右足のワカンがはずれた。あるべきはずの金具がない。滅多なことでは切断されないと思っていたベルトが切れ、金具がなくなっていた。ベルトをひねくりまわし、無理やりクリップに取り付け固定した。これでずれ落ちることはないだろう。経年劣化は徐々に進むが、それが発覚するのは得てして利用している最中である。年数を重ねるとチェックがおろそかになる。毎回必要だと思い知らされた。
気分一新、いよいよ本格的山登りの開始である。リーダーを先頭に木々の合間を直登し、上部の林道(1040m地点)まで到着。林道法面が立っているため、登りやすいところを探す。少し先に進んだところから再度急登との格闘を開始。ここでも先頭をいくリーダーのパワフルさにはいつものことながら感服せざるを得ない。
P1221m地点を過ぎたあたりから傾斜も緩やかになる。少し風があるものの太陽が照りつけ快適な尾根歩きである。前方左に目を向けると初河山、その奥に願教寺山が見える。さらに左をむけば薙刀山、野伏ヶ岳と石徹白の山々の大パノラマが映し出される。
女性陣を先頭に、足取りも軽く徐々に高度を上げていく。1350mまで登り、少し下がった地点から山頂まで急登がはじまる。今までメンバーの後塵を拝してきたが、ようやくラッセル要員としての出番となった。
キツイ!もう3月だというのに雪はあまり締まっていない。ステップが崩れ、体力が余計に奪われていく。早々に息があがり始める。いつもの感覚だとまだまだ頑張れるはずと思うのだが、足が上がらない。5,60mくらいを稼いだぐらいで、ギブアップ。先頭を大谷さんにお願いする。最後尾から後を追うが徐々に遅れていく。結局山頂まで追いつくことはできなかった。
山頂に近づくにつれ大きな雪庇が張り出しているのが間近に見える。大きな裂け目が生じており、今にも崩れ落ちそうだ。雪庇を避け尾根左側の木々があるところをトラバースする。途中、落とし穴や笹上の雪面が崩れるなど、バテバテの体から更に体力が奪われていった。
前方に木々がなくなり、ようやく山頂かと力を振り絞り登っていくとそこは偽ピーク、ガッカリである。気を取り直し先に進む。やっと山名板を見つけることができた、今度こそ山頂到着。呼吸を整え周囲を見回すと今まで見えていなかった360度の大展望が広がっていた。
山頂直下の風が当たらない場所で大休止。ポカポカ陽気の中、展望に恵まれた中でのカップラーメンは格別の味である。しんどい思いをして登ってきたことなど忘れしまう。
のんびりとした時間をいつまでも続けるわけにはいかず、いよいよこの展望も見納めの時が来た。山頂で集合写真をとり下山を開始する。
しばらくは急な下りとなるため慎重に下りていく。振り返るとトラバースして避けた雪庇の張り出しが見える。あれだけ苦労して登ったというのに下りはあっという間である。途中、休憩の時に山頂下の谷筋で大きな雪崩が発生した。今日のような気温だと一気に崩れ落ちるのだろう。春の足音というべきか。
個人的な話となるが、12月半ばから体調を崩し、先月半ばからは外に出歩くこともままならない日々が続いた。今回、長時間の山行についていけるか不安であったが、8時間強の行程を何とか歩き通すことができた。リーダーを始めメンバーの皆さんのサポートに感謝申し上げたい。
地理院地図
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