大垣山岳協会

モノレールに導かれる山・左門岳 2021.12.11

左門岳

【 個人山行 】 左門岳 C級( 1223.5m Ⅲ△ ) 丹生 統司

 冬将軍の本格到来を前に我が会指定の美濃百山C級「左門岳」を訪れた。先週の鎗ヶ先より県境の山々の雪化粧を見てワカン、アイゼンを準備したが無用の長物となり助かった。

<ルート図>
  • 日程:2021年12月11日(土) 晴れ後曇り一時時雨
  • 参加者:L.丹生統、大谷早、後藤正、佐藤大、清水克、田中恵、藤野一、堀嵜尚、宮澤健、村田美、山本知
  • 行程:堰堤傍駐車地7:20-尾根取付8:55-左門岳9:55~10:35-駐車地12:40
  • 地理院地図 2.5万図:平家岳

 今日は初めて山行を一緒するH女子、左門岳の標高と誕生日が一緒のM女子、山頂での昼食タイムが楽しみである。標高540m東本谷に堰堤と建物がある林道脇の膨らみに駐車、ワカンは車に置いたがアイゼンは谷歩行が長く凍結を心配してザックに忍ばせ出発した。

 古く濡れて滑りやすい丸太橋、左右の太さが違い緊張が走る。体重を預けるとグ~とたわみ折れやしないか、滑りやしないかとヒヤヒヤ、のっけから嫌な通過だった。

 谷を渡るとモノレールの残骸が現れ手摺付きの大サービスで道案内をしてくれた。

 谷に架かる流木と谷脇の枯木にナメコがビッシリ、秋の味覚は帰りの楽しみにした。

 右に左に谷を何度も渡った。その度に緊張した。渡渉した数を覚えきれない。

 寒々しい冬の冷たい谷音を聞いて沢グルミの多い斜面のトラバースも何度か繰り返した。

 格好の目印のヘルメット、休憩ポイントだが鹿の糞が多くて獣の臭いが残っていた。これを過ぎて直ぐ最後の渡渉をして尾根に取り付いた。

 いきなりの急登となってストックは無用の長物、ブッシュを掴んで身体を持ち上げる。離されぬよう前を追いかけると12月というのに汗が噴き出た。

 尾根の左斜面は落葉樹林、右斜面は針葉樹林で境界上にブナの大木が伐採を免れていた。尾根には中部電力の巡視路でよく使われているプラスチック階段が有って上に導いた。

 トップを行くG君のハイペースについて行くのが大変で「小休」の号令に思わず顔がほころぶ「ヤレヤレ」ザックを投げ出し腰を下ろした。

落葉した樹木の間から屏風山が見えた。何処から眺めても格好良く奥美濃の鋭鋒である。

 倒木を幾つか越えると傾斜がおち笹が出て来て山頂台地が近いことを予測させた。

 いよいよ山頂台地の笹が出現、踏み跡はしっかりしているが笹が覆って鬱陶しい。以前新聞報道の遭難騒ぎは此のヤブで方向を見失ったのだろう。用心の赤布を使用した。

 山頂は藪が刈り払われて平地が確保されている。先日降った雪がまだ残っていたが三角点石柱は覗いていた。点名・左門岳(Ⅲ等△1223.5m)

 広くない切り開きと思っていたが10人が車座になっての昼食タイムを過ごすには十分の広さであった。奇しくも左門岳標高1223mと重なる12月23日生まれのM女子の誕生を祝して万歳!

 誕生日を祝って乾杯!としたいがコロナ禍であり粛々と、真心を籠め愛情を籠めておめでとうございます。又今年入会のH女子と初顔合わせの方が多く食事をしながら自己紹介を行った。人見知りせずメンバーと打ち解けている彼女を見て安心した。

 帰りの楽しみは行きに見つけたナメコの収穫である。鍋によし、みそ汁によし、茹でて大根おろしにポン酢で頂けば美味しい。柚子を垂らせば更に美味しく料理屋の味に舌鼓を打つだろう。酒のアテに最高である。

 楽しいことずくめのようだが失敗もあった。最初の丸太橋の通過で一人バランスを崩して谷水に浸かり衣服を濡らしてしまった。後方にいて皆の「足の運びを見て危なっかしい」と案じていたのだが、つい傍観してしまった。

 付近を観察すれば、すぐ傍僅か3mの上流に幅3mほどの浅瀬があった。常々スパッツをして早足で渡れば幅4~5mくらいで15~20㎝の深みならソックスを濡らすことはないと言っておきながら傍観したことが悔やまれてならない。

 「皆の足の運びに不安」を持ったのだから一旦行動を止めて付近を観察すべきであった。そうしておれば渡渉場所を見つけ多少靴を濡らすだけで澄んだ。常々「横着」と「成り行き」が山登りの大敵と言っておきながらつい流された。山の神は「手抜き」を見逃さない。猛省である。完

ルート図

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