大垣山岳協会

ドウの天井、明神山 2021.10.10

ドウの天井

月報「わっぱ」 2021年11月(No.480)

【 育成強化山行 】 ドウの天井 ( 1332.5m Ⅱ△ ) 、明神山 ( 1136m △なし ) 藤野 一郎

  • 日程:2021年10月10日(日)(晴れのち曇り)
  • 参加者:CL.清水克、SL.藤井利、小栗敦、田中恵、藤野一、宮澤健、村田美、山本知、吉田千
  • 行程:中之江駐車場4:30=上大須ダム駐車地6:00-倉地谷橋(境界標尾根取付き)6:15-管理道路出合8:00-ドウの天井9:00~9:10-明神山分岐9:35-明神山11:05~11:45-管理道13:20-境界標尾根取付き13:55-倉知谷橋15:25-上大須ダム駐車地15:45=中之江駐車場17:25(解散)
  • 地理院地図 2.5万図:下大須(岐阜6-2)、平家岳(同6-1)

 今回の育成強化山行は美濃百山C級のドウの天井と明神山の2座を1日で登れるということで、入会3年目程度のメンバー7名が参加した。ドウの天井は『ぎふ百山』では「奥美濃の黒部といわれる川浦谷の源頭にあって、二等三角点を頂きながらも地図に山名が入っていないばかりに長い間訪れる人はなかった」と紹介されている。また、この一風変わった名前は「故今西錦司先生が採集されたものと聞いている」と大垣山岳協会の『美濃の山(第2編)』で記されている。

 地形図を見るとドウの天井のすぐ近くを中電管理道路が通っているが、その管理道路は上大須ダムのところで人も通れない厳重なゲートで閉じられていた。今回の山行ではダムの堰堤から1.5㎞ほど進んだ倉知谷橋の横にある施設のフェンス脇から取り付いた。

 まだ体のウォーミングアップもできていない状態で、いきなり掴まれるものも少ない急斜面を緊張を強いられながら登る。高低差約300mを登り標高850mを過ぎるとやっと傾斜も少し落ち着いた。

 尾根に出ると樅の木やヒノキ、コウヤマキの根上がりした大木が出てきた。コウヤマキの大木の下には松ぼっくりを小さくしたような1cm程の松かさが登山道一面に敷き詰められているところもあった。時おり吹く心地よい風を感じながら雰囲気の良い尾根を登り、標高1110m付近で管理道路に出た。

 綺麗に舗装された広い管理道路をドウの天井の分岐まで歩を進めた。途中、後で登る明神山へ向かう稜線が一望できた。三つ目のピークが明神山だと聞き、この先まだまだ大変だなと気が引き締まった。
分岐から笹薮に覆われた古びた木の階段を10分ほど登ると二等三角点のある山頂に到着した。山頂への古びた階段や山頂の様子などから、最近は登る人が少ないのかなと感じた。

 山頂は360度の展望があり、ちょっとした庭園のようになっていた。そこから見える山名を記した立派な案内板によれば、北アルプスや中央アルプスまで望めるようであったが、残念ながら今日は遠望は利かなかった。

ドウの天井頂上で参加者一同

 ドウの天井で記念撮影を済ませて、早々に二つ目の明神山へと向かった。

 管理道路を400m程戻り、明神山の山名板が取り付けられたところから、灌木が生茂る急坂を下った。下りはじめは尾根の幅が広くルートも不明瞭で、リーダーから赤布の付け方や灌木が生茂った広い尾根を歩く時の注意事項などのご指導を頂いた。暫く行くと尾根も細くなり次第に踏み跡がはっきりしてきた。

 ここの尾根にもコウヤマキの大木が次々と現れ、中には枝が笠のように垂れ下がった大木もあった。今回の山行では紅葉した木や綺麗な花には出会えなかったが、普段あまり見ることがないコウヤマキを沢山見ることができた。

 管理道路から1.5時間ほどアップダウンを繰り返すと明神山の山頂に到着した。山頂は樹木に覆われ展望はなかったが、ここで万歳三唱をして40分程の昼食タイムとなった。

 明神山から管理道路へ戻る途中、中田さんと平木さん、他1名の方と遭遇した。朝駐車地へ向かう途中で3人を見掛ていたため、もしかしたら沢登りで明神山かも?と皆で話していたので、サプライズとはならなかった。だが、やはり山奥で知り合いに出会うと嬉しい。

 朝、管理道路を歩いている時に雲行きが少し怪しかったので心配していたが、明神山への行き返りの途中で少し雨に降られた。幸い雨は酷くなることもなく、レインウエアを着ることはなかった。

 明神山からの帰りは二つのピークを越え、最後は管理道路まで高低差200m程を登り返すため、下山するという感じではなかった。いつもなら帰りに林道に出ると少しホッとした気持ちになるが、今回は管理道路の先には今日一番の激下りが残っているため気が抜けない。

 急な尾根筋を足を滑らさないように、時には後ろ向きになって慎重に下ってきたが、道路まであと数歩というところで足を滑らせ尻もちをついてしまった。「最後の最後まで気を抜いてはダメ!」ということが今回の育成強化山行で私にとって一番の教訓となった。また、経験豊富なリーダーからルートファインディングなどのご指導をいただき、大変勉強になりました。ありがとうございました。

 帰宅後、リーダーから今回の育成強化山行のおさらいポイントが書かれたメールをいただきました。今回参加できなかった方にも参考になるかと思いますので、ここで紹介させていただきます。なお、リーダーには事前に了解をいただいています。

 『おさらいポイントとしては「いくら急登、急降下でも足元だけに気を取られるのではなく、行く先を観察して常に尾根筋やルート取りを意識すること。特に下山時の尾根分岐を確実に意識し選択すること。そうすれば木に頭をぶつける事もないですよ」です。』

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