大垣山岳協会

轡野権現山・大加山 ピリッと手強い 2021.10.05

権現山(関市轡野)

【 週日山行 】 轡野権現山 ( 525m Ⅱ△ )・ 大加山 ( 359m △なし ) 鈴木 正昭

  • 日程:2021年10月5日(火)
  • 参加者:鈴木正、大垣山岳協会会員5人同行
  • 行程:自宅7:30⇒中央道・東海環状道富加関IC⇒県道58号(関金山線⇒ファミマ下之保店で大垣組と合流⇒8:50轡野川奥の林道駐車地(標高約170m 岐阜県関市下之保)
    出発9:00→10:00主稜線コル→10:45権現山山頂11:10→12:00林道出合(昼食)12:30→12:50駐車地⇒県道58号⇒天理教津保分教会前空き地で駐車
    大加山へ出発1:50→2:10・205m点→2:45標高240mピークで引き返し→3:10駐車地
  • 地理院地図 2.5万図:上麻生

 大垣山岳協会のリーダー山行で5人の仲間を得た。まずは過去2回登っている権現山(524m Ⅱ△)。絶好の天気だが、人工林の中、空は見えない。轡野川左股沿いの林道を進む。ツリフネソウやミズヒキの花がうれしげに咲いている。すぐに「登山口」の古びた看板。谷を渡り急な尾根に取り付く。登山道は明確ではあるが、登山者は少ないようで、道をふさぐ倒木が多い(写真①) 。山頂に延びる主稜線コルからの尾根道は左側がストンと落ちる断崖。落ちたら大変だ。山頂の手前の足元に「ここは社跡地」の看板があった。

写真① 登山路をふさぐ倒木群 (宮川氏撮影)

 山頂(写真②)にはかつて白山神社があったが、徳川家光の時代に轡野集落の今の白山神社に移したという。前回も同じことをしたが、再び頂上手前の狭い平坦地をがさごそ探した。遺構らしきものは皆無だった。そうだろう、移設は400年も前のことだ。山頂北方は人工林が切り開きしてあるが、雲が邪魔して眺望はなかった。南側の美濃加茂側には標高500mほどの御殿山や平木山などかつて登った小山がかわいい頭を並べていた。

写真② 権現山山頂

 下山は山頂から東側の尾根を下る周回コース。道はすぐに尾根を外れて谷筋つまり轡野川右股の最上流部に降りる(写真③)。古い道標は残るが、谷は一気に深くなる。かなり急な砂礫の下降、やがて左岸側斜面の縁に細い道が延びる。右側は2.30m落ちて谷底が見えている(写真④)。足に疲れが出てきた仲間もいて、慎重にゆっくり降りる。最後に天狗伝説のある乙女滝(落差14m)をチラッっと見届けて、広い支線林道にでた。権現山は登り下り2時間ほどの手軽な里山だが、危険個所の多い油断できない山でもあると再認識した。かつては立派に整備された登山道は今や自然に戻りつつある。特に谷筋コースはこのままではロープ確保などの用意が必要となると思う(写真⑤=谷の両岸には峻厳な岩塊が点在する)。

写真③ (下山コース)丸太の橋は通れず、谷床を横切る。 (宮川氏撮影)
写真④
谷上部をトラバースする。道はほとんど消滅。
右側は深い谷底。 (宮川氏撮影)
写真⑤ 谷の両岸には峻厳な岩塊が点在する
<権現山 ルート図>

 次の目標大加山(359m △なし)へは津保川を5㎞ほど遡り、中之保集落にある天理教津保分教会の裏から登った。何人かの住民に登り口がないか、聞いたが知る人なし。やむなく、教会裏のササやぶをかき分けて山内に入る。ヒノキの人工林内の緩やかな尾根筋を登る。主稜線に出ると、昔の作業道跡に古い赤テープが散見される。尾根筋を進むと時折巨岩が現れるので、南側の尾根下をトラバースする。時折南側の樹林の隙間から先ほど登った権現山の山頂部が見える。標高240mのピークでもう体力の限界だ、という声がでた。あと、20分ほどで頂上だが、引き返すことにした。

 私も含めて老年登山隊に無理は禁物。成さねば成らぬではなく、引くありてこそ成すあり、と誰かが言ったようである。

 大加山は地理院地図に山名が掲載されているが、ネットにも登山情報はわずかしかない。いずれも、反対側の東北側から登っている。山中は全域手入れ不足のヒノキ人工林に包まれ、放置林の典型のようだ。誰も入らぬ林野を夢中で歩く。雑念が消えて、自然の生の姿に接することになる。そこに新しい発見や知見を求めたい。

<大加山 ルート図>

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