大垣山岳協会

新会員と講習会・小津権現山 2021.07.14

小津権現山

小津権現山 ( 1158m Ⅱ△ ) 丹生 統司

 当会はこの4月から8名の新会員を迎えた。すんなり会に馴染めて山行に必ず名を連ねる方やそれなりの技術を持って入会し既に会員と親交を深め個人山行で沢登りに行く方も見える。反面一度も顔を見ていない方が何人かいた。どうやら会の敷居が高くて気安く行事に参加し辛いようだ。折しも体験参加の希望者もおり地形図とロープワーク講習も含めた交流登山を思いつき小津権現山を計画した。

 小津権現山は9月に県民スポーツ大会が行われる予定で当会は地区担当である。その偵察も兼ねて新会員の方との交流親睦を目的に地形図講習とロープワーク講習を行った。山頂に着くころにはすっかり打ち解けて和気あいあいで三角点を囲んでの万歳も笑顔がはち切れていた。

  • 日程:2021年7月17日(土)晴れ
  • スタッフ:L.丹生統、SL.中田英、
  • 指導員:吉田千、佐藤大
  • 参加者:上田祐、金光鏡、西川博、西川史、宮川祐、吉田逹、安村單(体験)
  • 行程:地形図講習会(登山口駐車地)8:00~8:30-登山開始8:30-高屋山10:00-小津権現山11:30~12:35(ロープ講習30分含)
  • 地理院地図 2.5万図:美濃広瀬・樽見

 今日は新会員の方達との初山行である。山行前夜に興奮して眠れなかったのは何十年ぶりだろうか。
登山口で自己紹介を行ったが19才から60才まで年齢の幅が広く「ハイキングからヒマラヤまで」をモ
ットーに掲げる我が会らしいと感じた。

 登山前に下記の地形図を使って勉強をした。先ず地形図で尾根と谷の特徴を説明、尾根はピークから裾野へ向かい分岐をするから道迷いが起きやすい。道に迷ったら必ず登り返せば道の発見が容易である。次に、これから向かうルートの特徴を把握した。地形図を読むということは行程を先読みするということである。

 コンパスの磁針が指すのは磁北であり岐阜の場合約7°西に傾いている。コンパスで先ず権現山の方
向を確認し次に現在地と途中のピークである点名・高屋を線で結びコンパスの進行指示矢印を合わせた。そしてコンパスの回転盤を回して赤く書かれた矢印を磁北線と平行に合わせると次はコンパスを水平にして身体を回転させ磁針のN極(赤の針)が磁北線の赤色矢印と重ねた。

<ルート図(学習用地形図)>

 点名・高屋は樹木で見えないがプレートコンパスの進行指示矢印を信じて先ず点名・高屋955,9mⅢ等三角点を目指して出発した。

 長い梅雨で尾根の土壌は多分に湿気を含み腐葉土の下は格好のヒルの住処となっていた。先ず最初の休憩でサブリーダーのソックスが赤く染まっているのを見つけると皆疑心暗鬼となり点検を始めた。

 点名・高屋に到着、一辺15㎝角のⅢ等三角点標石を確認した。ここでコンパスの進行指示矢印を権現山に再設定した。やはり十代、若者は呑み込みが早い。

 点名・高屋から細い尾根の先に見えるのは山頂ではない。1040mの山頂より700mほど手前のピークだ。地形図でルートを事前に調べたから予測できた。

 1040mのピークへの登りは木の根が むき出しで急登となった。尾根の左は急斜面で大倉谷へ落ちておりロープが張られていた。

 1040mのピークに立つと目指す権現山が正面に見えた。ここでコンパスの進行指示矢印と目指す権現山山頂が一致しているか確認した。ピッタリ合っているとテストの正解を得たような童心気分になる。

ピークからコルへ下りとなる、長い梅雨で木の根や斜面が濡れており唯一気の抜けない所である。

 全員山頂に到着、Ⅱ等三角点にタッチした。岐阜県にはⅠ等三角点が17点、Ⅱ等三角点は148点、Ⅲ等三角点が1035点ある。南に濃尾平野が見渡せたが雲が多く伊勢湾までは見えなかった。権現山の尾根続きに花房山の特異な山稜が眺められ、その北には能郷白山が見えて、東にピラミダルな屏風山の雄姿が一際目を引いた。

 昼食休憩後に約30分間、中田SLの指導でロープ講習を行った。シュリンゲやハーネス、カラビナなどの専門用語に全員の方が戸惑ったことだろう。

 安全登山で最も使用するシュリンゲをダブルフィッシャーマン結びで作成した。次に簡易ハーネスの結びを練習した。メインザイルの結びではエイトノットを覚え、そのメインザイルを岩場での固定ロープに見立ててブルージックとクレムハイストを山頂直下の斜面を使って実践練習をした。

 小津権現山は手近な里山と思っていたが毎週末山へ出かける我々と新会員とはやはりどこかが違う。若者とて一回目の登山であり、それなりに疲労は残ったであろう。個人差はあるが半年から1年、月に2~3回山に向かえば筋力がつき身体が勝手に呼吸法を覚え楽になると約束する。継続して山に行って欲しい。

 この山行で大事なことを言い忘れたので此処に記す。プロ野球の野村監督は勝ちには相手が勝手にミスを繰り返し勝ちを拾うことが有る、がしかし「負けに偶然はなく必ず負けた原因がある」と説いた。これは山登りにも言えて、天候に恵まれ周囲の後について行ったり、メンバーに助けられて北アルプス等の難峰の頂を踏むことや実力以上の山に登ることはよくあることである。しかし長く山登りをしている中では時々道を踏み外したり谷を間違えたりと事故には至っていないが小さなミスを時折犯してしまう。原因は地形図をよく見ず、思い込みで行動したり、横着をして地形図での確認を怠った場合が多い。ミスをしたら必ず「原因を掴んで次の山行に活かす」学習を習慣化して欲しい。

 今日は十代、二十代、三十代、四十代、五十代、六十代、七十代の私を含め幅広い年代の交流が出来た。山登りは生涯スポーツであることを実感した。長く、深く継続していただきたい。次回は成長した今日のメンバーに会えるのを楽しみにしている。完

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