月報「わっぱ」 2021年7月(No.476)
【 沢登り 】 美束・尾西谷 、国見岳 ( 1126m △なし ) 平木 勤
- 日程:2021年6月20日(日)(晴れ)
- 参加者:CL.平木勤、SL.中田英、伊藤正、後藤正、杉本眞、竹森せ、西村洋、廣瀬美、吉田千
- 行程:中之江駐車場7:00=尾西・白山神社8:00-入渓8:30-天空の滝9:50-登山道10:30-KDDIアンテナ址地11:00~12:05-(右岸尾根)-白山神社14:00=中之江駐車場(解散)
- 地理院地図 2.5万図:美束(岐阜12-1)
当初は小津・高地谷の白倉谷へいく予定だった。しかし、前日が思いの外強い雨で増水が予想された。そこで増水が見込まれても比較的安全な尾西谷へ行き先を変更した。
尾西集落の白山神社脇に3台の車を停め出発。谷沿いの林道を歩いていく。林道終点からは左岸を進み堰堤を越える。堰堤で塞き止められて出来た池は枯れ木が立ちまるで大正池のようで良かったのだが、今回、干し上がっていて無惨な姿になっていた。どうやら溜まっていた水が抜けてしまったらしい。
植林の踏み跡を辿っていくと自然に入渓。すぐに感じの良い滑が現われる。普段はチョロチョロの水流なのだが、昨日の雨でなかなかの水量になり見栄えがする。
この沢は基本花崗岩でフリクションは良い方だ。しかし、場所によってヌメリもあるのでバランスよく登らないと滑る。それが結構難しいつもりでいたがみんな普通に登ってきて感心させられる。中にはちょっとしたシャワークライミングもあり、岩の上からみんなの様子を伺っていたが全く心配な様子はない。
この沢へ入る関門のように立ちはだかる4m滝も水量はやや多め。無難に一番簡単な左側を登る。その先、緑の中に布団を重ねたような巾広の滝が現われる。ここはこの沢で一番美しい場所だろう。ビューポイントにメンバーを招くとみんな感嘆の声を上げていた。
わかりにくい630m二俣を左に取り4mの滝を越えると、いよいよこの沢の一番の見所である長い滑が始まる。赤茶けた岩と水流の白と樹林の緑が奏でるハーモニーが心を柔らかく包む。滑滝を落ちる水流の呼吸を手足に感じながら登るのはとても心地よい。巻くのは簡単だけど、水芯が呼び寄せ吸い込まれていく。途中で新会員の廣瀬さんが滑滝脇の岩の合間に鳥の巣と卵を見つけた。増水したら流されてしまいそうな所だ。何鳥のものだろう。初めて見た。
連続した滑が終わると巨岩帯が始まる。巨岩帯の中でも特に目を見張る大岩でできた岩屋がある。修験岩とでも言おうか。ここは岩の下をくぐり抜けることができる。これも心躍る場所だ。
続いてこの沢には珍しい階段状の滝が現われる。やはり何時もより水流は太い。誘われるように半身を水に濡らしながら流芯を歩く。そして現われる斜瀑、天空の滝だ。初めて見た時は緑の中で天から落ちてくるかのように見えた。今は両岸が荒れて、下部に堆積物が溜まりあの時の姿はなくなった。それでも一番の滝には違いない。右を登ってやっとこの滝を直登したと言えるが今は自信がなく左から越えていく。他のメンバーは巻きルートをとった。
最後の大きな二俣で沢登りとしては終了。後は登山道を目指して右俣を急登していくが、これがきつい。息を切らして登山道に出て靴を履き替える。山頂までの道のりが意外と長い。
やっと出た広場は元KDDIアンテナが立っていた址地だ。ここは見晴らしが良くてお気に入りの場所だ。風に吹かれながら奥美濃の山並みを楽しんで大休止。一年前、佐竹前理事長の追悼で訪れた所でもある。安らかに眠っておられるだろうか。
休憩後、国見岳山頂を訪れる。以前に比べて見晴らしが良くなったような気がする。傍らのカレンフェルトが立つ庭園のような窪地には池ができていた。ここを横切って下山尾根に取り付く。
下山尾根は自然林に覆われ気持ちいい。時折現われる岩がアクセントを付けて飽きる事もない。中には変わった形の岩もあって目を楽しませる。
この尾根はルートファインディングが重要なのはわかっていたが、手を抜いたおかげで間違った尾根に入ってしまった。予定通りのルートを歩きたかったので登り返す。下部の平坦な尾根の樹林を歩くのがこのルートの楽しみなのだ。最後は緩やかな植林帯を抜けて堰堤横へ。
参加メンバーからの「よかった」の声が初夏の日差しにキラキラと輝いていた。
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