【 個人山行 】 大日ヶ岳 ( 1709m Ⅰ△ ) 丹生 統司
白山と石徹白の山々の展望台、大日ヶ岳はビギナーの山というがルートによっては楽しめる山である。ダイ君の休日に合わせて桧峠から天空の雪中散歩を楽しんで来た。
- 日程:2021年2月24日(水) 晴れ
- 参加者:丹生統、佐藤大
- 行程:満天ノ湯駐車場6:50-水後山8:55-鎌ヶ峰9:40-大日ヶ岳11:00~50-満天ノ湯駐車場14:50
- 地理院地図 2.5万図:石徹白
深雪を想定したが当日早朝の冷え込みが厳しく圧雪されたコースはカチカチに凍っておりストックが刺さらない。固い雪にペースは快調、背後の毘沙門岳が見る見る遠ざかった。
固く締まった雪を踏んでゴンドラ終点駅の上に抜けると野伏ヶ岳、小白山、荒島岳の展望が広がった。
ゴンドラ終点駅から1391mの尾根に登りきると目指す水後山、鎌ヶ峰、大日ヶ岳が見えた。尾根には大きな雪庇が見える。雪は固く、ワカンは用無し、ここでアイゼンを着けた。
尾根には老ブナが多かった。巨樹というほどではないが長い年月の風雪に耐えて幹肌が爆ぜたように荒々しくて興味を惹かれた。
大日ヶ岳への尾根の全容が見えた。雪庇は前谷川側へ張り出していた。今朝の冷え込みで雪は固く近づかねば崩壊はないと思われた。
素晴らしい天気に恵まれすぎて地形図の確認を怠り水後山を気付かず通過した。鎌ヶ峰の山名柱が20㎝ほど雪面から突き出た高みの先に白山へ連なる絶景が展開されていた。
左端から荒島岳、小白山、野伏ヶ岳と薙刀山のコルの背後に経ヶ岳が覗いており、よも太郎の背後に赤兎山と大長山が重なって見えて願教寺山へと連なっていた。
雪山の醍醐味は最短で安全なルートを選択して白銀に残すことにある。トレースを追いかけるだけの登山は思考や五感を退化させる。今日は山頂に立つだけの登山で少し淋しい。
この下降もトレースが無ければ緊張して一歩一歩確実に、登山を楽しめただろう。
白山を背景に斜面のトラバース開始。いい絵が撮れた!!!
雪が緩んでいたなら息を殺して通過する大きな雪庇の横、固く締まった雪で不安なく通過。
白銀の斜面を鞍部に向かって下降、ダイ君の赤いヤッケが抜けるような青空に映えていた。
雪庇の大きな亀裂、今朝の冷え込みは厳しく雪は締まっていた。崩壊はないだろう。
鎌ヶ峰からの鞍部を過ぎれば山頂は近いと思ったが小さな起伏が幾つか有って遮った。
越えて来た小ピークを振り返った。
今日はモデルがダイ君一人、先行させたり後らせたりと絶景に撮影時間を割いた。
この緩やかな尾根を辿れば山頂で指呼の間で有る。そこからは「ひるがの」から往来する登山者の集団の声が確認出来た。
山頂からの大展望!
大日ヶ岳山頂はアイゼンの爪が入らぬほど雪が固かった。今回の桧峠ルートは昭和48年(1973)1月15日に登っているが全く記憶に残っていない。会誌『岳友19号』を読み返していて気付いた次第だ。この日「ひるがの」からは引きも切らず登って来ていたが「桧峠」からは我々だけだった。固く締まった雪と踏み跡に案内されて山頂には容易に達した。雪山は自分の足でトレースを付ける所に面白みが有るのだが遊びが半減し少し残念だ。
大日ヶ岳北から西方面の展望はすこぶるよかったが東面は御嶽山を除いて乗鞍、北アルプスは雲に邪魔された。これも又残念だ。完
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