大垣山岳協会

快晴の伊吹山(弥高尾根~東尾根周回) 2021.01.21

伊吹山

【 個人山行 】 伊吹山 ( 1377.31m Ⅰ△ ) 丹生 統司

 1月20日の南宮山安全祈願山行は快晴に恵まれた。関ケ原へ帰る車中から仰ぐ伊吹山が青空に浮かんでいた。明日も快晴の予報で有り今季2度目の伊吹山行きを決めた。弥高尾根から山頂経由で東尾根を途中まで下降し上平寺集落へ通ずる祖父谷の川戸谷林道へ下る計画である。このコースなら山頂以外で人に会うことはあるまい。

  • 日程:2021年1月21日(木)快晴
  • 参加者:単独
  • 行程:上平寺7:10-弥高山9:00-伊吹山頂11:55~13:15-東尾根1170m14:25-祖父谷・川戸谷林道着16:35-上平寺着17:45
  • 地理院地図 2.5万図:関ヶ原

 上平寺から京極遺跡、弥高山へはトレースが有ったが夏道を踏襲しており無駄が多い。この正月4日に4人の仲間と付けたショートカットの踏み跡は消えており又付け直した。

 弥高山から仰ぐ伊吹山は青い空にくっきりと白銀の頂を浮かび上がらせていた。前にも後にも人の気配はなかった。今朝の冷え込みで雪は締まっており歩きやすかった。

 小さいが伊吹山に数年ぶりに雪庇を見た。尾根に雪が有ることで少し威厳のある山を取り戻した気がする。

 辿って来た弥高尾根と近江長岡の市街、その南に霊仙山、御池山、藤原岳の鈴鹿の山並み、絶景である。我が町関ケ原も写真左端に見える。

 獣害除け柵の頭が覗く雪原を越えて山頂に、快晴の今日でも風が吹き抜けて冷たかった。ここまでは登山者に会うことはなかったが表道にはワンサカと人が見える。あれではスノーシューもアイゼンも必要あるまい。

 辿って来た弥高尾根を見下ろす。白いスロープの向こうに琵琶湖が映えていた。絶景!!

 伊吹山Ⅰ等三角点の標石は覗いていた。50年前は積雪が多く山頂小屋は屋根が出ている程度で雪洞を掘るのも楽だった。嘗て伊吹山は積雪11m82㎝の観測記録が残る山だった。

 山頂南地獄谷側は雪庇が張り出し一部が壊れていた。その南に南宮山と濃尾平野。

 北尾根から国見、トラス、ブンゲン、貝月山の後ろに能郷白山、加賀白山が見える。その右に離れて北アの連山と穂高、乗鞍、御嶽山、中アの連山と恵那山が確認出来た。

 右端は能郷白山手前右から貝月山、ブンゲン。後方は美越国境奥美濃の山並み。絶景!!

 強風の芸術風紋。東西に長い山頂台地の東外れに有る木製鳥居は僅かに頭部が覗いていた。

 東尾根の下降に入る。遠くに養老山系、手前が南宮山、ドライブウェイを辿れば関ケ原だ。
ところが真新しいトレースが尾根に残されていた。やはり物好きは居るものだ。

 写真で見える東尾根のイガグリ頭のような1170mの頭がブナ林である。そこから南に斜面を下る計画であるが、しかし結構な急傾斜だがこれが最短で川戸谷林道へ下りられる。

東尾根から伊吹山頂と弥高尾根をもう一度振り返る。何度見ても登ってもいい尾根である。

 標高1170mの頭のブナ林、昔に比べて大きくなったと思ったが雪の原で見るとまだまだだ。

 先行するトレースは東尾根からドライブウェイへ続いていた。そのまま川戸(点名・藤川)905mを経て相川山~笹尾山へ下りたのだろうか。地形図には尾根をこのまま標高1000mまで下ると祖父谷へ通ずる尾根に波線の道が有るが遠回りで降り口が岩である。今回は1170mの頭から急斜面を下る最短コースである。記憶が確かなら昔此処にも道が有った。

 標高1170mの頭からの下りは結構な急斜面で有った。雪がザラメ状でグサグサ、ワカンの爪が効かず何度か滑った。ストックが頼りなく途中でピッケルを出して安全第一で下降した。その途中でヒラタケをゲットした。

 最後の20mは岩になっておりワカンを外して祖父谷へ下りた。4時半を過ぎていた。1時間で駐車地へ戻れると思ったが雪が深く再びワカンを履いた。廃林道2か所の渡渉も承知していたが川への降り、登りが雪壁となっており遠回りさせられ甘くなかった。

 川戸谷林道の左岸に小さな支谷が有って出合を渡るとスキーのトレースが有った。出合は谷水で雪が溶かされ地肌が露出しておりここで諦め引き返したのだ。これには助けられた。ラッセルから解放されランプを出すことなく駐車地へ着くことが出来た。完

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