大垣山岳協会

丸山1786m~銚子ヶ峰1810.4m~願教寺山1690.9m 2020.03.21-22

丸山・願教寺山 丸山
丸山・願教寺山

【 個人山行 】 丸山1786m~銚子ヶ峰1810.4m~願教寺山1690.9m 丹生統司

  • 日程:2020年3月21日(土)~22日(日)
  • 参加者:L 丹生統、後藤正、小栗敦、藤野一、佐藤大
  • 行程:
    • 21日(土) 大垣4:30-白山中居神社7:00-大杉登山口9:25-神鳩ノ宮小屋12:05~40-丸山14:30~50-神鳩ノ宮小屋16:20
    • 22日(日) 神鳩ノ宮避難小屋5:55-銚子ヶ峰7:00-願教寺山9:35-笠羽谷出合11:50-大杉登山口13:00-中居神社14:30

 近辺奥美濃の山に雪がなく石徹白にやってきた。丸山から薙刀山まで周回を目論むが願教寺山の登りで霰の襲来に雨を予感、願教寺山以降を放棄して南東に降りる尾根を使い笠羽谷出合に下山した。

ルート図

3月21日(土) 快晴   丸山
超異常雪不足の今季は石徹白といえども林道には雪がないだろう、もしかして大杉登山口まで車が入るかもと期待したが「通行止」の看板。ゲートを除けてと思ったが自重して延々歩いた。

初河谷までは早く感じたがそこから徐々に雪が深くなると徐々にペースダウン、中居神社から2時間を要して登山口に着いた。大杉への階段は急な斜面となっていた。やはり何度見ても大杉はでかい。

最高の登山日であった。尾根を登るにつけ小白山から野伏、薙刀、銚子ヶ峰に続く山々が眺められた。

今夜の宿、神鳩ノ宮避難小屋着。3月に小屋が1階から出入り出来るとはやはり今季の雪不足は石徹白といえども例外ではなかった。

小屋に宿泊装備などを置いて丸山へ向けて出発した。先ず1680mのピークを目出すが尾根が蛇行しており意外と遠い。我々の前に踏み跡はなくキャンパスにワカンで自由に落書きできる喜びを堪能する。

目指す丸山1786mが行く手に、台形の山頂は手前の急斜面がワカンには手強そうで雪面の緩みを祈った。

右から銚子ヶ峰、願教寺山、よも太郎山1581m、1669m峰、左端は薙刀山。後方奥の山塊は経ヶ岳だ。

銚子ヶ峰から一の峰、二の峰、三の峰、別山。奥に白山が山頂部をちょっぴり覗かしていた。絶景かな。

台形の山頂は斜面を登り切ってからが長かった。ダケカンバに山名板が有ったが文字は消えていた。2016年5月21日神鳩ノ宮小屋より延々藪漕ぎして山頂に立ったのが午後の5時前で三角点を見つけるのも手間取った。この山名板には気が付かなかった。シラビソの根っこでビバークしたことを思い出す。

長い山頂は雪が吹き溜まりどこが山頂か定かでない。ここが一番高いと思うところを決めて登頂した。

小屋に帰ると水を作りながら各自持ち寄りの肴をつまみビールで喉を潤す。本日の食当はOAさん。

 ランプが雰囲気を作りアルコールが入ると話は尽きず夜が短く感じられた。明日は4時起床を申し合わせて8時にシュラフに潜る。明日の晴天を念じて。


3月22日(日)曇りのち雨    銚子ヶ峰~願教寺山
 本日22日は天気が下り坂なのは承知していたが起床時には星が見えており周囲の山も見え視界は良好だった。このまま午後3時や4時ころまで持つのではないか淡い期待をして小屋を後にした。

早朝であり雪が締まっていると確信してアイゼンを着けたが時々踏み抜いた。昨夜の冷え込みが足りなかったのだ。小屋を出るときは明るかったが10分もすると雲が沸いて白黒写真の世界となった。

昨夜と今朝で共同食は食い果たした。共同装備はコッヘル1組、ガスコンロ2台、空ガスボンベ3個、ザイル8×30mのみである。昨年単独で徳山の山を2泊3日で周回したときは40Lザックで用を足した。今日はザックが重い、多人数だとつい隙ができて軽量化を忘れて重い荷物にあえぐことになる。

母御岩を過ぎると西から吹く風が強かった。雲は低いが薄く別山は見えておりこのまま縦走できそうだ。

銚子が峰山頂で記念写真。三角点も石柱展望図も雪の下で山頂らしくない山頂「万歳」をする気を失わせるような強風が抜けていた。風あたりの少ない場所を求めて移動した。

幾分風が和らぐ場所を見つけて休憩した。まだ視界は良好で先ず願教寺を目指し周回を続行することにした。銚子ヶ峰から北に600mほど歩き直角に西へ向きを変えた。この広い斜面を視界が良好なうちに通過することが周回のポイントである。第一の関門通過でありまだついていると思っていた。

斜面を下りきったところでアイゼンからワカンに替えた。やはりまだ3月である雪が柔らかかった。

願教寺山へは尾根が蛇行しており1615mの峰を越えねばならず思った以上に時間を要した。雲が低く垂れてきて黒くなった。判断を迫られていた。

山頂手前のコルに到達すると霰が降り出し天候悪化の警告であり前兆を知らせてくれた。GMとOAはすでに山頂斜面に取り付いていたが周回継続断念を告げ荷物を置いて空身で山頂往復を告げた。

天候悪化を心配しながら願教寺山頂で記念写真。山頂から「よも太郎山」とその先の1669m峰は見えていた。よも太郎を超えた1669m手前の次の退避ルート尾根もまだ見えていたがここからは遠くに感じた。ここは潔く願教寺山から笠羽谷出合に下降するのが賢明と判断した。

願教寺山から200mほど引き返し南東尾根の斜面を下った。長い斜面を下り切ったところで休憩しザックカバーを付けた。霰はすでに雨に変わっていた。尾根の下降は支尾根に迷い込まないことが肝要でそのためには尾根芯を忠実に辿ることが失敗を少なくする。支尾根に迷い込むと早く谷に降りてしまい主尾根への復帰で無駄な体力を消耗する。そのまま谷を下降すれば柔らかく深い雪に苦しみ必ず滝に遭遇し最悪の事態となる。土地勘のない山では忠実に尾根芯を外さず末端まで辿ることが賢明である。

この退避ルートは2度の渡渉が厄介である。笠羽谷出合は対岸に橋が見えていながら融雪期は水量が多く旨く渡渉場所を選定しないと危険を伴う。今回は旨くいったほうだ。

 笠羽谷に架かる橋に着けばあとは大滝上の林道通過に注意して渡り終えれば長い林道歩きが待っているだけだ。雨は時折激しくヤッケをたたき深い雪に足を取られながらよたよた上在所を目指した。

地理院地図

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