大垣山岳協会

土蔵岳、猫ヶ洞 2020.03.15

土蔵岳

月報「わっぱ」 2020年5月(No.462)

【 一般山行 】 土蔵岳 ( 1008m △なし )、猫ヶ洞 ( 1065.3m Ⅲ△ ) 鈴木 正昭

  • 日程:2020年3月15日(日)
  • 参加者:L.丹生統、大谷早、小栗敦、後藤正、佐藤大、清水友、鈴木正、中田英、林 旬、藤野一、村田美、山本知
  • 行程:岐建荒尾駐車場5:55=八草トンネル東入口付近7:00-尾根取り付き7:20-885m点9:20-土蔵岳10:30~11:00-猫ヶ洞12:05~12:50-土蔵岳肩13:40-885m点14:40-林道出合16:20-駐車地16:25=大垣
  • 地理院地図 2.5万図:美濃川上(岐阜11-3)

 4台の車で八草トンネル入り口付近の駐車地に着くと、迎えてくれたのは雪山ではなく薄茶色の広葉樹二次林の冬姿。雪の白さはどこにもなし。丹生リーダーは雪山の「輪かん歩行訓練」の予定は「やぶ山歩行訓練」に変更すると宣言。みな、持参の輪かんは置いて、小さな派生尾根の突端から急なのり面の斜面をよじ登り始めた。

 葉を落とした広葉樹の壮齢樹林の中、青空を仰ぐ明るい尾根筋を進む。目印類もなく、踏み跡もほとんどない。細い木枝のやぶは薄く、さほど苦にならない。まもなく右手東側にピラミッド型の山が見えだした。奥美濃名山の一つ、蕎麦粒山であった。あんなに鋭い三角形の姿は初めての眺めであった。

 広い幅の平坦部の先に885m点の丘があり、ここから40mほど下ると前方の尾根筋が白く明るいブナの壮齢林で埋まっていた。推測だが、この山域のブナ林はパルプ用材として60年ほど前に皆伐された後に自然再生した二次林であろう。青空に向ってほの白い木肌ときゃしゃな木枝を伸びやかに突きだす。その色彩と構図を見つめると、未来への希望がそこにあるように思えた。

 ブナ樹林の中の柔らかな腐葉土地面を進み、岐阜・滋賀県境尾根にでて間もなく雪田の中に見覚えのある土蔵岳の山頂があった。

薄い藪の中の土蔵岳頂上

 私は1999年秋に今山行の2山に登っている。2つに分れたブナの大木の幹に2つの山名板があったことを覚えている。その名残か、千切れ朽ちた板が幹に付いていた。

 土蔵岳を出発して県境尾根を北上、次の目標の猫ヶ洞に向う。尾根を50mほど下り、登り返した先に最大の難所、シャクナゲの激やぶがあった。20年前に私が難渋した所だ。左右の斜面はいずれも切り立っていて巻けない。リーダーがやぶの中に獣道の隙間を見つけて果敢に突入、わずかな潜り跨ぎ苦労の末に突破。その先の小ピーク上の難所も難なく乗り越えることができた。やぶの上にわずかだが雪田が乗っていたことが助けになったようだ。激やぶを越すと、再び白く明るいブナの壮齢林の広がり。

 頂上では、枝にぶら下がる青色の山名板の下の雪田の中に三角点があるはずだ。リーダーが木枝を突き刺しているうちに、雪の下50cmの点石を掘り当てた。技術なのか、偶然なのか。おもわず、みんなで「バンザーイ」。

 下山ではブナの尾根街道を楽しみながらまっしぐらに下降。丁寧に付けてきた赤布の導きもあり、コースミスも不調者もなし。山頂で降り出した小雪はやがてミゾレになり、下部では雨となったが、気持ちは晴れのままだった。

<ルート図>

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