【 個人山行・雪山講習 】 十石山 ( 2524.9m Ⅱ△ ) 丹生 統司
- 日程:2019年4月28日(土)快晴
- 参加者:L 丹生統、他7名
- 行程:大垣3:30-登山口7:10-十石山頂11:35-避難小屋12:09~45-登山口着15:34
- 地理院地図 2.5万図:焼岳・乗鞍岳
今季雪山講習の締めは十石山である。この山は細尾根や岩場等の危険個所はないが尾根が広くて荒天時のルート取りに工夫と知恵を必要とする山である。天候に恵まれれば笠ヶ岳から穂高の大展望が得られるはずで講習フィナーレにふさわしい適地である。当日は古いトレースが尾根に沿って残されておりラッキーだった。雪山慣れした猛者の踏み跡だろう尾根に忠実で効率よく最短で我々を上へ導いた。
標高1800mからコメツガやトウヒ、シラビソの原生林が続き夏だと昼でも暗いが雪床の影響で明るい。高度が増すごとにシラビソの美林が素晴らしい。彼女たちの目線の先に穂高が圧倒的な存在感で君臨。
穂高が安房山へ続くシラビソの尾根越しに見えた。奥穂高と前穂高の吊り尾根が明瞭だ。前穂の右は霞沢岳でその右は霞沢から南尾根の2553m峰である。六百山は霞沢と重なって見えない。
シラビソの林を抜けると銀世界、ソバズルがスキーを持ってこなかったことを悔いていた。広い尾根の斜面を山頂目指して最後のあがき。それにしても群青色の空がたまらない。
古い足跡は地形図を的確に読んで最短で山頂に続いていた。素晴らしいコース取りに敬服した。山頂に着くと飛騨側より強風の歓迎を受けて手早くヤッケを着込んだ。そして笠ヶ岳から穂高へ続く飛騨の山々を一望して十石山の大展望にしばし浸った。
乗鞍岳も素晴らしかった。乗鞍の右奥には加賀白山から北に山並みが白い帯となって連なっていた。
天上のスタジオで、まず穂高をバックに記念撮影、そして南に移動して乗鞍をバックにしてもう一枚。
強風を避けて避難小屋の窪地で昼食休憩、その後穂高にもっと接近しようと安房山方向に空中散歩。余りの大展望に欣喜雀躍(きんきじゃくやく)する仲間たち、そして「穂高よさらば」を合唱した。小屋を守る会の方に登山口で話しかけられ挨拶を交わした。この小屋の建設には私の古い友人たちも関わっていた経緯がある。次に訪れる時はあの小屋で彼らを偲んで一泊し一献傾けたいものだ。
伊吹弥高尾根を加えると8回の雪山講習はこれでフィナーレだ。悪天候の山もあったが全て計画が実践できて充実したシーズンだった。ツアー登山からの脱却、自立した山登りの人材育成を目指したつもりだが果たしてどうだったか。雪山は登山の一部であって岩も沢も藪もあって山登りは奥が深い。自ら計画して主体的に行動する山登りを目指して欲しい。達成感を味わうごとに山登りが楽しくなるはずだ。6月から趣向を変えて次のステップを計画したい。
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