【 初級冬山講習 】 花房山(C級) 成瀬 徳幸
花房山(1189m)には大垣山協との初邂逅の思い出がある。6年前か7年前、当時所属していたハイキングクラブで力量を超えるような花房山の2月に登った。これには大垣山協のO氏が深く関わっている。O氏の指導で登り始めたわが会は、たまたま(?)鉢合わせした大垣山協のメンバーとほぼ同じ時間に登ることとなった。記憶では、衣斐さん、後藤正さんがいたことははっきりと覚えているが、他のメンバーは記憶にない(ご免なさい)。
この時、積雪の状況はもちろん登山口から例年どおりだった。ラッセルというほどではないが、ワカンを着けて登っていった。やがて痩せ尾根=キレットに達した。わが会は私だけ先行して、キレットを通過したが、その先の急登は雪の量が一段と増え、もう登ることはできなかった。大垣山協もこの時はここであきらめた。わが会も撤退し、昼食の場所を探した。途中、山協の昼食場面に遭遇した。この時確か猪鍋だったと思う。O氏はその鍋の輪に加わった。私たちはその光景をうらやましげに見るだけだった。
さて、過去の恨み言は忘れて、今日の話である。今日のメンバーは19名、冬の山行としては著しく多い。しかし、経験豊富なリーダーの杉本さんを始め、ベテラン勢が勢揃い、全く不安はない。さらに痩せ尾根にロープを固定するため4人が先行した。これで初心者も安心である。積雪は少なく、600m付近でようやく雪が出現した。途中、鏡山とかミノマタが見えだした。さらに金草岳も谷奥にその偉容見せてきた。
私たちは、769m付近でアイゼンを着けるとともに、スリングを使って簡易ハーネスを作った。これで痩せ尾根を安全に渡るための万全の準備はできた。今回、初めて記録係に指名されたYさん、聞き慣れない山の名前やスリング、カラビナなどを記憶しなければということで、登山を楽しむどころではないようだ。だれでも最初に記録係に指名されるとこうなる。
さて、いよいよ痩せ尾根にやってきた。雪の量は最初の時と比べると全く少ない。しかし、雪が少ないため、半端な雪、木の根っこ・岩の露出に悩まされる。フィックスロープがあるとやはり気持ちが随分楽である。慎重にこの難場を全員が越えてゆく。
休む間もなく、この後の急登が待っている。
雪が徐々に増えてきて、随分歩きやすくなってきた。稜線が目の前に迫ってきた。無雪期には繁茂する笹藪も今は出ていない。
雪の稜線歩きは楽しいが、すぐに山頂に達してしまう。全員で登頂祝の万歳をし、少し下ったところで昼食。
このあと、慎重に下っていく。痩せ尾根を通過し、やっと緊張の糸がほぐれ、皆から笑みがこぼれてくる。このルートは夏道を使えるが、やはり痩せ尾根があることから、高所恐怖症の人たちには少し難しい。山協の潜在的パワーを垣間見るような今回の山行であった。
行程 登山口7:00→山頂11:30(昼食~12:30)→登山口15:30
コメント