大垣山岳協会

深い北八ヶ岳の森の中で思わぬ道迷い 2018.07.12

ニュウ

【週日山行】 ニュウ (2352.2m) 、稲子岳 (2380m)  小倉 幹雄

  • 日程:2018年7月12日(木)
  • 参加者:L 小倉幹、SL 小倉繁、他15人
  • 行程:岐建荒尾駐車場5:00=白駒池駐車場9:05~9:20-白駒池9:35-稲子の湯とニュウ方面分岐10:30-ニュウ11:30~11:45-稲子岳方面分岐11:50-迷歩時間12:00~13:10-丹生、大谷稲子岳往復(その他のメンバーはニュウの下の広場にて昼食かねて待機)13:10~14:20-丹生、大谷と合流14:20~14:35-白駒池駐車場16:15=岐建荒尾駐車場21:00

 7、8月の週日山行は低山だと暑く、山の選定に悩む季節である。そこで駐車場で既に標高が2000mあり、ニュウまで高度差350mほど、稲子岳は10年ほど前の同じ時期に登った時、山頂付近の砂地にコマクサの群落があり満開であったことを思い出し今回の山行を計画した。先週の天気予報では梅雨明けで晴れの予報だったが、今日は高気圧と高気圧の間で曇り空であり、2000mある白駒池駐車場はひんやりして気持ちが良い。

 歩き出して15分ほどで白駒池に着く。静かな白駒池歩道を進み、やがて池と別れ10分ほどで白駒湿原に出る。湿原はあまり大きくないが、登山道脇にハクサンシャクナゲと思われる白に少しピンクがかった花が咲き誇っていた。登山道の中央はぬかるんでいるので道脇の少し高い所を選んで進み、稲子の湯とニュウ方面の分岐に到着。
小休止後ニュウ方面へ。やがて登山道は急になってきた。まわりはコメツガ、トウヒ、シラビソの原生林におおわれ、苔の森になっている。

 何回来ても飽きない所である。登山道は木の根っこと岩が所々に出てくるので注意して登る。やがて明るくなり稜線にでた。左側にニュウの岩峰が見える、岩峰の左側を回り込み三角点がある頂にでた。頂上からの眺望は抜群で、天狗岳、硫黄岳、中山が見ることができるが、今日は残念ながら曇っていて見られない。

 頂上の一番高い所に乳房のようにとがった岩がある。ニュウの山名は刈り取り後の稲を円錐形に積み上げた稲わらの「にう」からきたという説と女性の胸の形からきたとの説がある。また、わが会の理事長を名指しで呼んでいるようで面白い。休憩後5分ほど歩くと1mほどの梯子があり、その手前にペナントが付けてある所より稲子岳へ向かう。木の根っこや岩混じりの急斜面を10mほど下ると広い所にでる。周りにはそこらじゅうにペナントが付けてある。地図とコンパスで確認し、前方奥に付けてあるペナントに誘われて前進したが、やがて踏み跡が怪しくなってきた。けれどまだペナントが付けてあるのでさらに進むと岩稜に突き当たってしまった。今日の参加者では通過することは困難なので、初めの広い場所まで戻ったが、1時間半くらい迷歩してしまった。

 再度地図を確認すると、初めに入りかけた方向が正しいようである。皆は迷歩で体力を消耗し、登山継続の気力を失っているようである。稲子岳まで距離は950mほどなので、健脚である丹生、大谷両名に往復してもらうことにして、他の参加者はニュウの下の広場で昼食をかねて待つことにした。

稲子岳山頂

 稲子岳へ行った2人は1時間10分ほどで戻ってきた。丹生さんから稲子岳への様子を聞いたところ、大岩や倒木を避けるため蛇行しているが、踏み跡は比較的鮮明でペナントも多く付けられていた。山頂は広く山名板等の証は見つからなかった。踏み跡に沿ってさらに南に行くと、東が岩場で切れ落ちたザラ場にでた。ザラ場にコマクサは見当たらなかった。帰り、山頂台地のシラビソ林の中に「稲子岳」と書いた標識を見つけた、とのことであった。2人はまだ食事をしていなかったので、昼食と休憩後全員で下山したが、迷歩のおかげで大垣帰着は9時になっていた。

<ルート図>

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