大垣山岳協会

週日山行 簗谷山 2018.05.16

簗谷山

【週日山行】 簗谷山( 1213.6m Ⅱ△ )  小栗敦子

  • 日程:2018年5月16日(水)
  • 参加者:L.丹生統 他11名
  • 行程:大垣6:00=簗谷林道終点登山口8:55~9:05-(南尾根コース)-簗谷山頂上11:20~(岳美岩往復)~12:30-(ブナの木コース)-登山口13:40=大垣17:10

 新緑の季節。快晴に恵まれた今回の週日山行は下呂市と郡上市の境に位置する簗谷山。「クマガイソウのお花見」を目当てに、11人が参加した。私は仕事があり週日山行にはあまり参加できなかったが、今回は休日出勤の代休で幸いにも参加することができた。

 大垣を6時に出発。メンバーはそれぞれに得た「開花情報」で盛り上がる。車は関金山線を通り、岩屋ダムを通過し、馬瀬川支流の弓掛川沿いに整備された「金山の森」の奥の林道終点にある登山口に到着。駐車場は10台程可能だが、渓谷右岸からの水で少し濡れている。簡易トイレの横には「熊に注意」とある。リーダーが「ヒルに、気をつけるように!誰かマッチ持っていないか?」。次の瞬間、爆竹の炸裂音と共に火薬の臭いと煙がモワッと上がった。これがヒル除けかと思っていたが…、実は熊よけの威嚇だった。熊よりもヒルが怖い私は、本能的に爆竹をヒル除けと思い込んでしまったのだ。

 9時5分登山口を出発。石の階段を上がると、そのすぐ先に分岐の標識があった。私たちは「南尾根コース」から登り「ブナの木コース」を下る計画だ。沢音や鳥のさえずりを聴きながら少しずつ高度を上げて進むと、約20分で植生保護ロープに囲まれた「クマガイソウ」の群落に到着。ワクワクしながら目を凝らすと…、メンバーの予想的中。花は茶色く枯れており緑の大きな葉が「又、来年」と手を振っているようだった、がっかり。気を取り直し、木漏れ日に輝く若葉に励まされながら出発した。

 いったん山腹をゆるく下ると、岩塊を落ちる「小鹿の涙滝」に出た。大山祇神の碑の横で写真を撮ったりした後、谷の源流を横切り、次の尾根を登ると標高1000mを超えた位の地点でシロヤシオの巨木が威風堂々と私たちを出迎えてくれた。南へさらに進むとミズナラ、ベニドウダン、栃の木等々美しい新緑のプロムナードは、まさに森林浴回廊と呼ぶにふさわしい新緑のシャワーだ。360度、葉の緑に癒されていたら右側の木立の隙間から、谷筋に残雪を浮かび上がらせた御嶽山の秀峰が霞んで見えた。山頂手前の分岐に岳美岩があるが、まずは先に頂上を目指すことに決めて、そのまま登り進み11時20分簗谷山到着。

 山頂は刈り払われており二等三角点が設置してある。

 万歳三唱のあと、展望案内板の周囲にそれぞれが座りランチタイム。「いわし奉行」の安藤さんから、一匹ずつ美味ないわしを振る舞っていただいた。食事後、下山コースから外れた岳美岩まで往復した。5分程下ると10畳ほどの岳美岩に到着。春霞で遠くの山々の同定はできないが、断崖絶壁から少しだけ身を乗り出して下を覗くのはスリルがあった。

 12時半「ブナの木コース」を下り始める。登りの南尾根コースとは異なった植生で、一面に広がるみずみずしいブナの緑が美しい。サラサドウダンやベニドウダンが小さなサクランボのように、風に揺れて可愛らしい。沢筋に出ると、多くの山シャクヤクがあったが、これも花柄が残るのみであった。

大きなサワグルミの木

 
 13時40分無事登山口到着。今回のお花見山行は、途中から「森林浴ツアー」となったが、南飛騨の原生林を偲ばせる巨木や、地表から根がむき出していずれは倒れる古木たちの、なおも踏ん張る逞しい生命力にパワーをもらい皆大満足の山行であった。

<ルート図>

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