大垣山岳協会

雪の小津権現山西尾根ルートに挑む 2018.01.02

小津権現山

【 個人山行 】 小津権現山(1157.7m Ⅱ△)西尾根 丹生統司

  • 日程:2018年1月2日 雪時々晴れ
  • 参加者:丹生統(単独)
  • 行程:中電徳山横山線巡視路取付標高220m8:00→3番目鉄塔標高390m8:30→横山ダム受信施設標高670m9:50→前山標高1081m13:20→権現山14:15→横山ダム受信施設16:15→ 駐車地着17:30

 小津権現への登路は小津集落や藤波谷があるが、横山ダムに末端を落とす西尾根も積雪期には魅力のルートだ。

<ルート図>

 昨年までの貧雪を忘れさせるような12月の降雪にチャンス到来と正月の酒を我慢して挑んだ。R303を横山ダム300m下で右折し、林道のゲート前の道路脇に駐車した。あいにくの雨で車中で朝食をとりながら様子見の後、小雨になったので出発した。ゲートの直ぐ傍でプラスチック階段の中電巡視路が上に延びていた。

 急斜面に設置されたプラ階段は、土砂や落ち葉に埋もれて滑り易く、油断するとすぐルートを見失う。これは帰りは厄介だぞと言い聞かせて登った。斜面の途中に鉄塔は3基あり、鉄塔からは尾根筋に明瞭な切り開きと多い目印に導かれる。標高500m辺りで雪が深くなりワカンを着けた。

 横山ダムの受信施設標高670mまで1時間45分を費やし、山頂に辿り着けるか心配になるが12時半までは行動すると決めた。

 時々晴れ間が覗き標高800mを過ぎると小津、高屋山からのルートが見えた。

 さらにラッセル30分で山頂が見え、尾根は北に向きを変えて標高999mへ、それから弧を描いて東に向かっていた。尾根には結構大きなブナが残されており、蕎麦粒山の西稜線を歩いている気分だ。

しかし、小さな灌木の斜面は厄介で落とし穴の罠が多く体力の消耗が著しい。引き返し時間目標の12時半はとっくに過ぎて、今度は13時半を目安にした。標高1081m着13時20分、前方に目をやると山頂へ雪稜が伸びていた。

 ここまで来たのだからとライトの助けを借りての下山を覚悟して、14時頃の登頂を目標に進んだ。雪庇はさほど大きくないと思っていたが、部分的には発達した雪庇があった。立木があるので安心していたら、「ビシッツ」と鈍い音がし足元で亀裂が入り崩壊した。もう30㎝谷側に足があったなら一緒に持っていかれていた。危なかった、油断大敵だ。

 藤波ルートの合流点に13時45分着、山頂はすぐそこなのだがバテバテでなかなか前に進めない。山頂着14時15分、祠は雪の中に本体部分のみが顔を覗かせていた。南側は雲で何も見えなかった。東の花房への稜線もしかりだ。

 山頂では写真を撮っただけで直ぐに引き返した。足跡が風に消されないうちに何とか受信施設まで帰りたかった。苦労してつけたトレースだったが15分も下ると怪しくなった。

 北側から吹く風は雪を伴って頬を叩き、尾根筋に残した足跡を容赦なく消していく。助かったのは急斜面の足跡までは消せなかったようで、もがいて登った分トレースは深かったのも幸いした。もちろん何度か踏み抜いた落とし穴も帰りの目印になった。受信施設には16時15分に着き、十分明るいうちに明瞭な切り開き迄帰れた。ザックに入れた携帯が何度か呼び出し音を鳴らした。心配した家族からと分かっていたが下山が優先で立ち止まれなかった。尾根筋は雪明りでランプはいらなかったが横山側への斜面の下降200mはヘッドランプの助けを借りた。急斜面のプラスチック階段は滑り易く道は不鮮明でスリップへの注意が必要だった。安全地帯に降り立ちホット一息、横山集落の灯りが印象的だった。

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