大垣山岳協会

島脇谷山 2017.07.09

島脇谷山

月報「わっぱ」 2017年8月(No.429)

【 月例山行 】 島脇谷山(1324.9m Ⅲ△ ) 清水 照子

  • 日程:2017年7月9日(日)
  • 参加者:CL 鈴木正、SL 杉本眞、他11名
  • 行程:大垣6:00=岐南町役場6:35=岐阜各務原IC=富加関IC=関金山線=国道41号線=宮萩原線=岐大演習林事務所8:45=真之俣洞駐車場9:00~9:15-船山中尾根登山口10:00-展望台11:45-島脇谷山13:25~14:05-御嶽・乗鞍展望地14:20-演習林事務所16:00=駐車場16:25=大垣19:30

 島脇谷山周辺は岐阜大学演習林地で、ヒノキ、ナラなどの天然林が見られることを期待して参加した。演習林事務所に車をデポした後、真之俣洞に入り、演習林の境界付近より出発する。左右には杉林があり、枝打ちされた杉が美しく並んでいる。林道を進むこと10分、ふと右手を見ると、大木を御神体にするかのごとくガラス戸付きの小さな神棚が祭られている。苦しい時の神頼みなど当てにはならないが、登山の無事を祈る。間もなくカラ谷作業場と展望台・船山山頂との分岐点にさしかかる。渓流から上がってくるほのかな風が、暑さをほんのり和らげてくれた。さらに分岐点があり、中尾根コースへ進む。何と分岐点の多い山なのか? 山にはコンパス・地図が必携だが、地図で現在地を確認しながら進むのは実に面白い。

 周りは根曲り竹の群生である。Tシャツを見ると袖や身頃に白い粉が付着している。なんだろう? どうしてこんな粉が付くのか? あっ!根曲り竹に触れている。よく見ると根曲り竹の一番外側の皮から、白い粉が出ている。原因はここにあると納得した。展望台まであと少し。

合体木

 11:45展望台に到着、高度は1423mだった。小休止の後そこから演習林境の稜線を延々と下る。アップダウンはあるが高度としては下降すること100m、13:30ようやく山頂に到着、遅い昼食を摂る。実に長い行程だった。

 昼食後、稜線を更に南下し、御嶽・乗鞍展望地から西へ下る。下山途中、アスナロの木があった。葉はヒノキの葉に似ているが幅は広く、すぐ見分けがつく。アスナロの木はヒノキ科アスナロ属の常緑針葉樹である。由来はヒノキに似ていることから、明日はヒノキになろうの意味と言われている。けれど、一部の図巻では俗説であると否定されている。また文学作品では、ヒノキになりたくても決してなれない哀れな木として扱われている。演習林事務所への下山途中、新しく林道が縦横に出来ており迷わされた。新しい林道は地図には載っていないため、惑わされないよう気を付けていきたいし、古い林道との差も肌で感じる事ができた。迷路を下るようで、楽しい山行だった。

(編者註:岐大演習林について)
 正式には岐阜大学位山演習林といい、現在は応用生物化学部に付属している。船山~島脇谷山を結ぶ稜線(旧萩原町と小坂町の境界稜線)の西側一帯に広がり、面積は553haに及ぶ。(地図の紫色の線が境界を示す)
杉・桧の人工林や焼畑跡の二次林もあるが、学術的意義が高い天然林も約200ha残り原則伐採禁止となっている。中でも今回辿った船山への中尾根コース周辺122haはヒノキ・ナラ天然林として樹齢数百年の巨木が林立しており、学術参考保護林に指定されている。今回もツガとヒノキの合体根上り木など珍しい木が数多く見られたとのことである。

<ルート図>

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