大垣山岳協会

鈴鹿 三ツ口谷遡行~鎌ヶ岳 2017.06.18

三ツ口谷(鎌ヶ岳)

月報「わっぱ」 2017年8月(No.429)

【 沢登り講習会 】 鈴鹿 三ツ口谷遡行~鎌ヶ岳(1161m △なし) 丹生 統司

  • 日程:2017年6月18日(日)
  • 参加者:L佐竹良 他8人
  • 行程:大垣6:00=三ツ口谷登山口7:50~入渓7:55-最終6m滝9:25~登攀終了10:10-長石尾根10:30-鎌ヶ岳頂上11:15~12:05-武平峠13:00-駐車地13:40=大垣

 本年の沢登り講習は、鈴鹿の鎌ヶ岳三ツ口谷で佐竹リーダーの指導で行われた。鈴鹿スカイライン二つ目のヘアピンカーブ起点から入山した。入渓前にリーダーより、沢登りの基本技術は岩登りであり「沢登りは登山の一部で山頂に至るために必要な手段の技術である」との説明があった。岐阜県は奥美濃や飛騨等に道のない山が多く、谷にルートを取らざるを得ないので、山登りの幅を広げるために沢登りは必要な技術である。

 登山道を右に見て3mと8mの滝を越えるが、このところの晴天続きで水量が少なく迫力に欠ける。続く12mの滝はガレを登山道に逃げた。堰堤がありこれを越えると小さな小滝が連続した。涸れ谷を左岸に見て進むと20mの垂瀑となるが、これも登山道に逃げた。7mの階段状の滝をスリップに注意して越えると、谷底が岩盤で小さなナメ滝や小滝が連続した。水量が少なく乾いた岩を快適に越えて行く。

 やがてオーバーハングの大岩が中央に6mの滝を掛けていた。ここはアンザイレンすることにし、中田君がトップを務めた。ルートは正面左の凹角を直登して、中央に向かい右上して滝上に出た。ハーケンを打つよう指示したが、リスが浅いらしくうまく入らず結局ピンを取らず乗り越した。伊木山の岩場で鍛えただけあって安心して見ていられた。二人の女性も見事なバランスで滝を越えた。これを越えてガラ場状の谷を行くと長石尾根の標柱があり、ここで登攀具を解除して沢靴から登山靴に履き替えて鎌ヶ岳を目指した。

 長石尾根にはサラサドウダンや紅ドウダン、ヤマツツジの花が咲いていた。山頂が近くなると傾斜が増して花崗岩の風化によるザラメ状の砂が滑りやすい。山頂は武平峠からの登山者でいっぱいで、小さな子供もおり腰を下ろす余地などなかった。山頂から北に少し離れた登山道が広くなったところで昼食休憩をたっぷり小1時間ほどとった。なぜか中田君のところに女性の手造り料理が集まった。

 下山は武平峠経由であったが、峠の登山ポストに鳥が営巣して抱卵していた。偶然ポストを覗いて見つけたのだが、代わる代わる覗いても逃げなかった。カメラでフラッシュ撮影されてビックリしただろうが、それでも逃げなかった。近頃はテレビや新聞で子供の虐待等の報道を耳にし、「子はカスガイ」など死語となっているが、動物の世界にはまだ母性が健在であった。いいものを見た。

 ドライブウェイと並行してつけられた登山道をのんびり歩いて駐車地に着いた。これから梅雨が明ければ夏本番。ギラギラ太陽を一杯背中に受けて、滝のシャワーを浴びて攀じる快感、沢の季節がやって来る。

<ルート図>

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