大垣山岳協会

正月山行・仙丈ヶ岳 2016.12.30-2017.01.02

仙丈ヶ岳

【冬山山行】 仙丈ヶ岳 ( 3032.8m Ⅱ△ ) 後藤 正雄

  • 日程:2016年12月30日(金) ~ 2017年1月2日(月)
  • 参加者:L.西村洋、北川洋、後藤正
  • 行程:
  • 12月30日(金) 大垣13:00=大垣IC=中央道・伊那IC=仙流荘バス停仮眠小屋16:30(宿泊)12月31日(土) 仮眠小屋6:00=戸台駐車場6:20~7:00-丹渓山荘跡10:05-大平山荘11:55-北沢峠こもれび山荘12:15(泊)
  • 1月1日(日) 山荘7:00-大滝ノ頭8:40-小仙丈ヶ岳9:50-仙丈ヶ岳山頂11:00~11:30-小仙丈ヶ岳12:20-大滝ノ頭12:50-山荘13:50(泊)
  • 1月2日(月)山荘7:00-丹渓山荘跡8:15-戸台駐車場10:55=仙流荘仙人の湯=伊那IC=大垣IC=大垣16:30
  • 地理院地図 2.5万図:仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳

 昨年正月登り残した仙丈ヶ岳を目指して南アルプスの玄関、戸台へ向かう。ただ、今回は小屋泊まり。年末年始好天の予報が出ている。ザックも軽く心も軽やかに昨年と同様に仙流荘バス停の仮眠小屋を利用させてもらった。

 31日朝5時起床。外へ出ると眩いばかりの星空が広がり、その分冷え込みはきつい。戸台駐車場には昨年同様かなりの車が止まっていた。登山届を提出し、戸台川の河原歩きが始まる。河原は薄っすら雪化粧。今回は名実ともに厳冬期の登山となりそう。河原歩きの途中、奥美濃でよく出会う単独の男性が我々を追い抜いて行った。声をかけるとこれから仙丈ヶ岳を日帰りで登るという。なんともすごい方がいるものだと感心する。

 気温も高く雪も緩んでいたためアイゼンなしで登ることができた。2夜お世話になる北沢峠こもれび山荘は、2013年に長衛荘から名前が変わり経営者も代わったそうだ。とても奇麗な小屋で、トイレも水洗となっていた。冬期は年末年始だけ営業。冬季の宿泊定員は50名程度。大晦日の今日の分は予約の電話を断るのに苦労したらしい。

 テント泊の場合は、着いてからも整地などに苦労するが、今回は薪ストーブのそばで、のんびりと時間を過ごす。これでいいのかと不安に思う。大晦日の夕食では、お刺身があり、黒豆、田つくりなどおせち料理も出てきた。さらに年越しそば。その後、ミニコンサートやじゃんけん大会などもあり、楽しい年越しを過ごす。

 元日朝、明るくなりかけた7時に小屋を出る。途中、アサヨ峰から上がるご来光を木々の間から迎え今年1年の健康と安全を祈念する。ゆっくり高度をあげると、北岳、間ノ岳がはっきりとみえる。大滝ノ頭をすぎ森林限界を抜ける。とたんに、西側から強風。耐風姿勢をとっていないと、吹き飛ばされそうだ。足元はザラメ雪でアイゼンがよくきいていたが、ところどころ最中状態であり時々足をとられる。トレースは明確だ。アンザイレンをしているパーティーもいくつかあった。彼らを追い越したが、その後会わなかった。どうやら小仙丈ヶ岳で引き返したようだ。昨年、甲斐駒ケ岳山頂付近で会った女性ガイドと偶然小屋で再会した。彼女らのパーティー3人も小仙丈ヶ岳で引き返したそうだ。

 小仙丈ヶ岳から先は、両側が切り立った雪稜もある。一瞬風がやみ、次の瞬間かなりきつい風が吹く。吹き飛ばされないよう慎重に足を進める。左手には北岳、間ノ岳が見えていたが、その奥には富士山の雄姿が見える。高度計が2900mを越える。ようやく山頂が確認できた。山頂にいるパーティーが豆粒のように見える。風が無ければルンルン気分で楽しめるのだろうが、やはり3000m級の稜線は甘くはない。サングラスの隙間から風が入り、頬が痛くなる。一気呵成に頂上まで登りつめる。
      
 ザックをおろし万歳三唱、展望を満喫する。頂上は我々3名だけ。雲一つない澄み切った青空に白い頂を見せる山々。お隣甲斐駒ケ岳から、富士山、白峰三山、塩見岳など南アルプスの山々。翻って、八ヶ岳、中央アルプス、乗鞍岳の向こうには北アルプスの山並みも確認できた。

 寒風吹きすさぶ頂上から20mほど下がったところで大休止。日差しが降り注ぎ、風さえなければかなり暖かい。30分ほど休んだ後、下山開始。風は相変わらず強いが、足取りは軽く小仙丈ヶ岳まで降りる。鳳凰三山地蔵岳のオリベスクが見えた。樹林帯に入れば後は淡々と降りていくだけ。風もおさまり今度は汗でサングラスが曇る。

 ゆっくりと下山したつもりだが、14時前に小屋に到着。ザックの整理もそこそこにして祝杯をあげた。最終日2日は下山するだけだ。

 2日朝、丹渓山荘跡の先、氷結した丸太橋を越えるところまでアイゼンを履く。戸台川の河原をのんびりと歩く。振り返ると、昨年同様に鋸岳の雄姿が見えた。帰宅後、2日に甲斐駒ケ岳で滑落事故(1人死亡)が発生したとのニュースを聞く。僕らは小屋泊りだったが、どんな山行形態であれ、3000m級の厳冬期では状況や技術に応じた行動ができなければ事故につながることを再認識した。

<ルート図>


                  

コメント