大垣山岳協会

御前山 2016.07.28

御前山

月報「わっぱ」 2016年9月(No.418)

【 週日山行 】 御前山 ( 1646.5m Ⅰ△ ) 大杉 すみゑ

  • 日程:2006年7月28日(木)
  • 参加者:L.丹生統、清水照、成瀬八、林旬子、藤森ふ、大杉す
  • 行程:大垣5:00=東海北陸道各務原IC =郡上IC=水洞平駐車場7:25~8:00-桜洞登山口8:30-屏風岩10:40-御前山12:20~13:10-焼堂ヶ原13:45-三角点名油坂14:35-上村登山口15:35=水洞平16:25=大垣
  • 地理院地図 2.5万図:湯屋、萩原

 阿寺山地の最北端に位置し、御岳の遙拝所として古くから山岳信仰の霊山であるこの山には以前一度登っている。もう一度記憶を鮮明にさせたくて、山行に参加した。

 周回行程のため、下山する上村ルート登山口に車1台をデポした後、水洞平から出発。やや多めの清流が下る桜谷沿いの林道をタマアジサイやヤマアジサイに迎えられて進む。桜洞登山口から木橋で左岸に渡る。前日の降雨のせいで、橋はつるつる滑りそう。以後10余の橋を右に左に渡る。丹生リーダーの注意を受けて、足を広げて慎重に渡った。特に危ない橋は通るのを避けて渡渉。ただ、河原の岩や木の根もつるつる状態。フラットに足裏全体を置くように努めた。

 4合目から合目毎に石の観音像が立っていて、私たちを励ましてくれる。5合目辺りからスギ林が広葉樹二次林に変わりウグイスが盛んに鳴く。ヤブレガサ、ノギラン、黄色の花が目立つタマガワホトトギス、オオカメノキと花の多い水量の豊富な美溪歩きを楽しんだ。
 丸太で出来た鳥居をくぐりしばらくすると、左側に巨大な屏風岩がそそり立つ。自然の造作のすごさに感動を覚える。

 ここから、ササ原の中の岩場の急斜面をあえぎ登る。主稜線に出て、左手に柱状の岩峰を見てから、右へトラバース。やがて、ふらふらになりながら、15年ぶりの山頂に立った。18cm角の1等三角点に触れるとああ、来て良かったと疲れも吹き飛ぶ。巨岩の前に朱色の小さな観音堂が建っている。丹生さんによると、織田信長が祠の中に岐阜城の鬼門除けに金の仏像を安置したが、再三盗まれたという説話がある。うなずくと共に、なんらかの史実があって生まれた話だろうと思う。

三角点前で万歳。後方に観音堂

 下山は尾根筋を南西に降りる上村コースを行く。焼堂ヶ原という平坦な丘に出る。鎌倉時代に天台密教の山岳寺院があり観音霊場として栄えたそうだ。岩の上に焼堂観音の石像が立っていた。 辺りには紫色のリンドウ、オダマキ、オトギリソウが色香を競っていた。雲が切れて御岳の山すそが見える。雲の中の山頂に向かって合掌し、一昨年9月の大噴火による犠牲者の御霊を追悼した。

 8合目の笛吹き観音像には昔、毒蛇を岩に閉じこめたという伝説がある。ところが、すぐ近くに本当にマムシ一匹がいて、「キャー」の大声。丹生さんがストックで押さえるうちに、無事通過。点名油坂(1341m Ⅲ△)を過ぎると標高差460mを下る急降下。途中、中呂や萩原の街や空谷山(下呂御前山)を見ながら下った。

<ルート図>

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