大垣山岳協会

烏帽子岳 2016.04.19

烏帽子岳(木曽)

月報「わっぱ」 2016年5月(No.414)

【 週日山行 】 烏帽子岳 ( 2194.5m Ⅱ△ ) 小倉 幹雄

  • 日程:2016年4月19日(火)
  • 参加者:L.小倉幹、丹生統、安藤正、竹森せ、桐山美、馬場宣、林旬子、小林和、清水友、成瀬徳、服部功、水谷み、今西和、大谷早
  • 行程:大垣6:00=中央道松川IC=鳩打峠駐車場8:25~40-小八郎岳(1470m)9:30-飯島ルート合流点11:20-鳥帽子岳頂上12:55~13:35-鳩打峠駐車場16:35=大垣19:10
  • 地理院地図 2.5万図:安平路山

 松川IC を降り、西方を見上げると鳥帽子というにふさわしい姿が待っていた。白い花が咲くブドウ畑の縁を通り林道に入り、登山口の鳩打峠に着く。そこには1本のソメイヨシノの桜が満開であった。標高差1000mの頂上に向かって歩き出す。天候は良さそうだ。しばらく杉林の中の緩やかな登り。道脇には、所々にミツバツツジが咲いていた。

 やがてトラバースコースを分けて小八郎岳コースに入る。だんだん急な登りになる。小八郎岳の山頂には「片桐小八郎之霊」と刻んだりっぱな記念碑があった。片桐小八郎は地元片桐の武将。保元の乱(1156年)で源義朝(頼朝の父)に従い勇名を駆せたが、次の平治の乱(1159年)で戦死した。小八郎が避暑のために夏の城として滞在した山とされる。悲運の武将の霊にしばし、手を合わせてから少し下りトラバースコースと合流。

 次第に多くなるカラマツはまだ芽が吹く前で周囲がよく見える。周りはササに覆われているが登山道はよく切り開かれササが被っている所はほとんどない。「鳩打峠~烏帽子岳10分の5」のプレートを過ぎ、しばらく登ると左斜面は谷へ鋭く落ちている。「セキナギ」という大崩壊地らしい。右側はササの急斜面だ。ヤセ尾根を慎重に通過し飯島コースとの合流点に到着した。

 合流点からはより一層急な登りだ。登山道脇にはイワウチワの葉がたくさんあるが、まだ花は咲いてない。登山道には各所にカチカチに凍った雪が残っていたが、幸い道脇は解けていて用意した軽アイゼンを付けずに済んだ。針葉樹林の痩せ尾根。岩混じりの道を急登。疲れもジワリ出てきて、立ち休憩をしながら、烏帽子の頭を形作る鳥帽子岩の下に達した。

 鳥帽子岩は左の鎖が付けてある斜面を回り込む様に登る。ネット情報も参考にして、たいした事なく容易に通過できた。回り込んで鳥帽子岩頂上より約10m下の小さな鞍部に出た。鳥帽子岩の頭(頂上)は少し崩壊しかけているようなので、登るのは避けた。鞍部から林の中を5分ほど登ると烏帽子岳頂上だ。

烏帽子岳頂上直下、烏帽子岩の基部を行く

 頂上は360度展望ができ、いままでの疲れが一辺に吹っ飛ぶ。天候は快晴で北西に残雪の越百山、仙涯嶺、南駒ヶ岳が間近に見える。東側には、鋸岳から光岳まで残雪の南アルプス主峰が並んでいた。頂上は風が強いので風が少ない所で大休止する。

 下山では飯島ルート合流点まで、滑落しないようにより慎重に下った。週日山行としては行動時間8時間程の長時間であったが全員満足そうに下山できた。

<ルート図>

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