【 週日山行 】 御殿山 ( 789.6m Ⅲ△ ) 鈴木 正昭
- 日程:2016年1月21日(木)
- 参加者:L.小倉繁、SL.安藤正、他9名
- 行程:大垣6:00=東名三ヶ日JCT=新東名浜松いなさJCT=浜松いなさ北IC=三遠南信道路=鳳来峡IC=国道151・473号=東栄町引田=槻神社9:30~45-展望地10:30-御殿山10:50-展望地11:00~50-槻神社駐車地12:20=大垣
- 地理院地図 2.5万図:見出、三河本郷
奥三河・東栄町の里山、御殿山は信仰の山であり、姫伝説の山と聞いた。思わぬ巡り会いを期待して参加した。地理的条件から私だけは、登山口に直行する。奥三河の山に入るには、いつも猿投、足助を経由する長い下道を行くのだが、細い道での凍結危険を避けて、東名、新東名、三遠南信道を経由して東栄町に入った。
新東名と繋がる三遠南信道は2012年に鳳来峡ICまで開通した。奥三河の山に入るには随分、時間短縮となる。2020年度には東栄町まで通じる予定。さらに北側に向けて工事が進む。奥三河の山間には白い山肌や整地された工事区域があちこちに見られる。静かな里山風景の大きな変貌。登山者には便利となるが、山間地の人々はどう思うのだろう。大垣組は私より1時間ほど遅れて登山口の槻(つき)神社に着いた。東名の渋滞に巻き込まれたという。
寺甫(てらんぼ)集落の奧にある槻神社は古い歴史を持つ神社。樹齢数百年もの巨大杉が何本も立つ境内から西に延びる登山道を歩き始める。一面4.50年生のスギの林の中、山腹を真っ直ぐ進む。すぐ、薄い雪が現われる。スギ林は除伐や枝打ちが行き届き、木々は空高く真っ直ぐ伸びる。スギの木は高度が上がるに連れて、大きくなる。トラバース道は急角度で右に折り返し、北東に向かう尾根にでる。間もなく標高650m辺りで南側が開けた展望地があった。とがった山頂部が個性的な三ツ瀬明神山(1016m)を眺めながら小休止する。
あるHP記録によると、木曽義仲の家臣、手塚太郎光盛は逃れて東栄町に土着した。その孫娘の千代姫が目の病にかかり失明。千代姫が眼病治癒を祈願のため、御殿山に登った際、不慮の死を遂げた、あるいは近隣部落からの帰りに道に迷い御殿山で死亡したという説話があるそうだ。
歩き出すとスギやヒノキの巨木にみんな見とれる。「御殿山共有林」の木柱があった。やがて、上部で枝が掃木のように伸びた巨大スギに遭遇(写真②)。樹齢600年以上だと誰か言っていた。仁王さまが立ちはだかる姿のようだ。そのすぐ先に御殿山神社、別名千代姫神社、大村神社とも言う小さな拝殿があり、その裏に三角点があった。
その後、村人たちは長い年月、姫の霊を慰めるため、祠を建てて参拝を続けてきた。温かな昔の人びとの気持ちが拝殿前で手を合わせる私たちに伝わってくる。
大木が繁り眺望はない。雪はまばらだが、冷風に震える。三角点周りで万歳三唱のあと、すぐ下山して眺望の効く展望地に戻り昼休み。日差しの届く範囲が少なく、膝をつき合わすように座り語り合い、笑い合い、食べ合った。
槻神社に下山して解散。まだ時間があるので、私は独りですぐ北東にある古戸山(ふっとさん759m)に登ってから帰宅した。
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