大垣山岳協会

能郷白山雪上技術講習会 2015.04.11-12

能郷白山

月報「わっぱ」 2015年5月(No.402)

【 雪上技術講習会 】 能郷白山 ( 1617m Ⅰ△ ) 小林 和雄

  • 日程:2015年4月11日(土) ~ 12日(日)
  • 参加者:L.丹生統、他5名
  • 行程:
    • 4月11日(土) 大垣5:00=能郷谷ゲート前駐車地6:30-登山口7:55-主稜線出合(1150m)10:00-テント場(1300m)10:50
    • 4月12日(日) テント場6:30-能郷白山8:30-磯倉9:40-能郷白山10:50-テント場11:30~12:20-登山口12:50-駐車地13:40
  • 地理院地図 2.5万図:能郷白山

 11日朝、大垣を出るころは小雨が降っていたが、能郷谷の駐車地に着くと止んでいた。デブリのため、林道ゲートの約150m前から歩き出した。以前は登山口まで車で入れたが、ゲートは閉鎖され道は荒れてしまい通行不能の状態だった。

 ゲートから林道を標高にして約380m上がって登山口に着くと、すぐ先に能郷谷渡渉の難関あり。今朝までの雨と雪解け水で白い激流が音を立てていた。全員が渡り終えるにはソコソコの時間を要したが転倒者も出さず、靴も濡らさず渡り終えた。好調のスタートだった。尾根取り付きは雪のない急斜面。300m登って林道のヘアピンカーブに達するころ山肌はすべて雪面に隠れた。

 標高1300mの平坦地にテントを張っていると、2人組と3人組の2パーティーが山頂目指して登っていった。張り終えたテントの中で、明日に備えて少し早めの会食と講習。道迷い防止の目印の赤布の効果的な付け方や雪上ルートファインディング技術などを教わった。歓談の中で、明日、西村、北川、後藤、そして私の4人は能郷白山を越えて、美濃の美峰、磯倉まで足を伸ばすことが決まった。

 12日朝、雲はあるが、ほぼ快晴。風もなく、気温も低くなくて手袋も必要ないと思うほどだった。私たち4人は西村さんをリーダーとしてアイゼンを着けて出発。昨夜、教わったように要所にペナントを着けて下山時の天候悪化に備える。雪の締まり具合も適度。山頂部南肩にある白山神社奧の院(写真①)に着くと、南方に端正な三角錐の磯倉の白い姿(写真②)が見えた。

写真① 白山神社奧の院
写真② 磯倉の白い姿 能郷白山直下の斜面から

 小さな社に手を合わせ間もなく、降下が始まる。南に下る尾根筋でササやぶの露出部に入った。背丈を越すほどの強靱なネマガリダケの中をしばしあえいだ。鞍部に出てから磯倉への急登。安定した雪稜を着実に登りきった。頂上からは若丸山、冠山、三周ヶ岳などの岐阜福井県境上の山々、間近に蕎麦粒山。多くは白い姿だが、黒い肌が交じる山もあった。

 能郷白山からは付けた目印赤布を外しながら、途中滑落停止の訓練を加えながらテント場に着いた。 磯倉からの帰路、能郷白山手前のササやぶ帯を突破するか、やぶを避けて雪面をトラバースするか。意見が分れた。結局尾根の右側(東側)をトラバースすることにした。丁寧に靴を雪面にけり込みながら慎重に進み、危なげなしに突破。テント場では能郷白山から先に下山した丹生、佐竹組がテントを撤収済み。ひたすら感謝を申し上げた。昼食後、下山開始。林道歩きではフキノトウをたくさん摘みとり山行の土産とした。

<ルート図>

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