大垣山岳協会

高木泰夫先生をしのぶ言葉 ③

TOPICS・随想・コラム

月報「わっぱ」 2015年3月(No.400)

「バカモーン」の声忘れない

 昭和39年12月30日夜の大垣駅。初心者向けの御嶽山冬山合宿に参加して駅に集合時間ぎりぎりに駆けつけると「バカモーン」という先生の一喝。余裕を持ち少し早めに来い、と教えられた。あの声が今も耳に残る。

 当会40周年事業の県境完全縦走でも、資料収集のほか、有益な助言をいただき、苦節5年の末完踏を果たした。長年に渡るご指導、ご支援の数々。静かに思いを巡らします。その後、私たちのエネルギーは岩登りに注がれ、御在所藤内沢に通ううち、大垣市制50周年事業として海外遠征登山の構想が持ち上がった。先生は実に精力的に国内の山仲間からの情報や海外の登山活動報告を手広く集めて調べ上げた。その結果、目標に決まったのがシャー・イ・アンジュマンであり、私も初登頂の恩恵に浴した。

 一地方の山岳会の海外登山として質の高さとともに、先生が中心となり出版された登頂報告書は登山界で高く評価された。先生の見識の深さと行動力は私にとって大きな憧れとなった。先生さようなら。さようなら高木先生。

(犬飼 進)


コメント