大垣山岳協会

貝月山 2014.02.08-09

貝月山

月報「わっぱ」 2014年3月(No.388)

【 初級冬山縦走 】 貝月山 ( 1234.3m Ⅱ△ ) 柴田 悦子

  • 日程:2014年2月8日(土) ~ 9日(日)
  • 参加者:L.丹生統、SL.西村洋、SL.衣斐剛、佐竹良、高見眞、小林和、後藤正、藤森ふ、林旬子、鈴木正、成瀬徳、柴田悦
  • 行程:
    • 2月8日(土) 大垣7:00=道の駅星のふる里ふじはし8:00~30=揖斐高原スキー場貝月ゲレンデ駐車場9:10-貝月山登山道避難小屋10:25
    • 2月9日(日) 避難小屋7:10-小貝月9:30-貝月山10:25~11:00-避難小屋13:00~20-貝月ゲレンデ駐車場13:50=大垣15:30
  • 地理院地図 2.5万図:横山

 「初級冬山縦走」は当初、弥高尾根経由の伊吹山の予定だったが、雪不足のため、金糞岳の北尾根に変更になった。さらに、本州南岸を低気圧が東進するという悪条件の予報が出ている。みぞれの降る中を出発し、揖斐川町では雨の本降り。藤橋の道の駅で全員そろったところで再度行き先について検討、大雪や林道の状況悪化を考え、避難小屋のある貝月山に変更となった。

 揖斐高原の貝月ゲレンデに着くと駐車料金1.000円を徴収された。「栃の実荘」で登山届けを出して、テント、ピッケル、アイゼンを車に残して出発した。小雪がちらつく。避難小屋は、今は廃止された第二リフトの終点にある。小屋までの林道には水気を含んだ重たい雪が30 cm程積もっていた。

 小屋は広い土間とフロアー、蛍光灯、コンセント、男女別のトイレ(冬季使用禁止)もあり立派だ。この小屋は、他の登山グループも忘年会などに利用しているらしい。

 昼食後、各種室内講習会。まず佐竹さんが冬に使うガソリンコンロ(MSRの「ドラゴンフライ」と「ウィスパーライト・インターナショナル」)について、詳しい使い方の説明。参加者たちは実際に着火する練習を繰り返した。さらに、低体温症対策の問題に論議が集まった。登山中に実体験した参加者の貴重な報告を交え予防法、対処法が示され確認し合った。

 丹生リーダーからは、ヒマラヤK2登山隊での体験談。極限状態の中で、人は何を思いどう行動するのか。大変興味深いお話だった。このような貴重な話が聞けるのも一泊山行ならではのことだ。最後にリーダー用意の歌詞カードで山の歌をしみじみと歌い合った。

 9日朝、好天の予報は外れて空は灰色だった。風はさほど感じない。雪は昨日より深くなっているようだ。全員輪かんをつけて出発する。

 一列に並んで、ラッセルを交代しながら進む。女性も努めを果たした。広葉樹の尾根に出ると、目の前にすばらしい雪景色が飛び込んできた。白い衣装をまとった二次林の広がりがまばゆく輝く。稜線ははっきりとしないが、これぞ冬の山だ。思わず大きく息を吸い込む。

 雪庇が張り出していて、風上側のやぶの生え際を進む。太陽が一、二度顔を覗かせたが、その時だけ山の表情が華やぐ。

 小貝月からアップダウンを繰り返すと、雲の切れ間に山頂の木製展望やぐらが見えた。一旦下って上り返すと山頂だった。やぐら以外はすべて雪の下に隠れていた。バンザイの後、風を避けて少し戻った樹氷の中で昼食をとった。銀色の天井を仰ぎながらのひととき。いつもより、話し声は少な目だった。

 銀色の粉を振りかけたようにきらめく木々の中を下山して避難小屋に戻った。小屋の中を元通りきれいに掃除をして、再び林道を歩く。ゲレンデは家族連れで大変賑わっていた。スキー場は廃業となったが、子どもたちの雪遊びゲレンデに模様替えし繁盛しているようだ。

<ルート図>

ルート図

コメント