大垣山岳協会

高丸 沢・尾根同日山行(大岩谷) 2013.07.21

黒壁(高丸)

月報「わっぱ」 2013年8月(No.381)

【 月例山行(沢コース) 】 高丸 ( 1316.3m Ⅲ△ ) 丹生 統司

  • 日程:2013年7月21日(日)
  • 参加者:L.佐竹良、丹生統、竹森せ、杉本眞、大橋辰、小林和、北川洋、後藤正
  • 行程:大垣6:00=池の又夜叉ヶ池登山口7:45-大岩谷入渓7:50-三俣9:15-15m滝9:20-旧村界尾根10:30-高丸10:50~12:00-三俣13:00-駐車場14:10
  • 地理院地図 2.5万図:広野・美濃川上

沢コース組

 池ノ又夜叉ヶ池登山口に着いて沢装束の準備をする。その間に、南西尾根から頂上に向かう尾根組8人は再会を約束してすぐに尾根に消えた。我々は夜叉ヶ池登山道を少し下った所で草をかき分けて大岩谷に入渓した。この所の雨で水量は豊富で岩や流木によって小滝が生じて、普段は小さな渕も深みとなって腿のあたりまで浸かる。15分ほどで8mはありそうなこの谷名を象徴するような大岩が右岸に現れた(写真)。単調でなだらかな谷中ではひと際目を引いた。

 谷に入るとすぐにウバユリの蕾を見つけた。谷の両岸にはギボウシやトリアシショウマの白花とシモツケソウの赤い花が競うように咲いていた。標高900m付近ではホトトギスとニッコウキスゲの黄色い花が周囲の単調な緑に彩りを添えていた。

 小滝は大きくても3mほどで技術的には難しい所はない。今日のメンバーはそれなりに信頼のおける仲間である。それぞれ自己の赴くままにルートを選んで越えていった。1050m付近で谷は三つに分岐、頂上に直近の右の流水にルートを選んだ。すると直ぐにチェックストーンを従えた15mの滝。この谷唯一の滝らしい滝といえる。チェックストーンの通過がポイントでトップ以外はスリングを立木に固定して使用して越えた。帰りは30mザイルで懸垂下降した。

 水流が細りルンゼが傾斜を増すとガラ場の中に水は消えた。落石を起こさぬようにルンゼを詰めると谷筋は東に向きを変えた。つかむ草の根っこが木々に変わると旧坂内村と旧徳山村の村界尾根に着いた。頂上までの約50m、踏み跡は明瞭だがやぶは濃かった。株立ちの小木や雪で押さえられた枝が横向きに立ちはだかり先々週は難儀を強いられた。だが今回はザックも軽く、太い幹を鋸で払いながら進んだ。あちこちに黒豆の木の実を見つけて頬張った。やぶこぎの疲れをしばし忘れ熟した黒い実に舌鼓を打った。

 「着きましたー」の声にやぶをくぐると、先着の後藤君が切り開きの中央で満足げに汗をふいていた。上空にはアキアカネが群れていた。竹ちゃんが指を出すとその先に停まって歓迎してくれた。

 頂上の東側の樹間で陽射しを避けて長めのランチタイムを過ごした。竹ちゃん自慢の手造りはガサツな男7人の胃袋に収まり、気が置けない仲間達との至福の時間を満喫した。ほぼ1時間後、尾根組が到着、我々は場所を譲って下山した。


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