大垣山岳協会

双児山 2013.06.13

二児山

月報「わっぱ」 2013年7月(No.380)

【 週日山行 】 双児山 ( 2242.7m Ⅱ△ ) 村田 正春

  • 日程:2013年6月13日(木)
  • 参加者:L.村田正、小倉繁、竹森せ、桐山美、岩田嘉、森範宏、大城幸、加藤冨、馬場昭、大杉す、田中善、成瀬八、大橋礼、田尾智、和田尚
  • 行程:大垣6:00=大垣IC=中央道松川IC=国道152号=長野県大鹿村鹿塩=黒川牧場上の池駐車場9:35~55-主稜線分岐点B10:45-双児山11:20~12:10-分岐点B12:35-分岐点A12:57-駐車場13:35~50=中村農園14:10~40=大垣18:45
  • 地理院地図 2.5万図:鹿塩

 双児山は、南アルプスとその前衛の伊那山脈に挟まれた山深い位置にある。東峰と西峰の二峰を持つ双耳峰で、三角点は東峰にある。2011年に地元の大鹿村が「双児山遊歩道」を開通させたので、とても身近な山となった。

 大鹿村鹿塩の大鹿中学校から山間の道に入り約16kmで黒川牧場のゲートがあったが、開放されていた。北川牧場に直進する舗装道路と別れて、右手の砂利道を進む。間もなく丸い「上の池」のほとりに駐車場が整備されていた。車から降りると、暑さ知らずの緑の草原が広がり、深い伊那谷のはるか西方に孤高の恵那山や残雪の中央アルプスの山々が浮かんでいた。遠くからヨーデルでも聞こえそうな少々日本離れした光景であった。

 駐車場から稜線のすぐ近くで並行する林道を歩く。未舗装で車は通れそうにないが幅の広い道だ。沿道には緑のコケの間にマイズルソウやミヤマカタバミなどの白い花が群生していたが、標高が高いせいかどれも小振りだった。中でも葉の形が機織りの用具である筬(おさ)に似ていることから名付けられたというオサバグサに出会ったのは幸運であった。

 黒河山からの稜線上に出ると、道は踏み跡程度になったが、赤やブルーのテープが要所に付いていた。2190mのピークから少し下りて休憩した後、90mほどの登り坂の上に頂上があった。樹木が伐採された頂上からは好天なら北岳、間ノ岳、農鳥岳など南ア北部の主峰が見えるはずだが、あいにく霧に閉ざされていて見えなかった。

三角点のある東峰が頂上

 今にも降り出しそうな空模様の下で食事を済ませ、稜線を戻る。下山では途中でトラバース道に下りずに、稜線通しに進む。コケが美しいシラビソの原生林の中に、踏み跡が続く。やがて、黒川牧場の最上部に付いた。ここから尾根を南下した先にある黒河山(2127m)にも登りたかったが、小雨が降り始めたので断念、ササ原にシカがつけた獣道をたどり林道に出た。

<ルート図>

鹿塩
大昔、古代諏訪族の人たちが、日本一長い断層である中央構造線で出来た谷に沿って大鹿村を南下し、塩分を求める鹿などの動物が集まる塩泉を発見した。鹿のいる塩泉の里として地名となった、という。では、塩泉の塩分の正体はなにか。岩塩がどこかにあるはずだと、明治時代に旧徳島藩士らが、長年掘削に精を出したが発見できず、今も正体は謎のままだ。(村田)

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