大垣山岳協会

大蛇峰 2013.01.16

大蛇峰

月報「わっぱ」 2013年2月(No.375)

【 週日山行 】 大蛇峰おおじゃみね ( 687.1m Ⅲ△ ) 村田 正春

  • 日程:2013年1月16日(水)
  • 参加者:L.村田正、小倉繁、清水き、竹森せ、桐山美、岩田嘉、米山多、高橋美、大城幸、大原和、加藤冨、犬飼芳、大杉す、田中善、成瀬八、田尾智
  • 行程:大垣6:00=桑名東IC=紀勢道紀勢大内山IC=国道42号佐田坂駐車場10:10~25-登山口10:45-大蛇峰12:20~13:16-鞍部1400-烏帽子岩14:23-鞍部14:42-登山口15:15-国道駐車場15:40~15:57=大垣20:35
  • 地理院地図 2.5万図:七色貯水池

 今年の干支の「蛇」の文字が付いた山、それも雪がなく暖かな山を探して三重・熊野の大蛇峰を選んだ。国道42号駐車場に車を止めて、国道を100mほど進むと、沢に架かる橋の手前に「烏帽子岩・大蛇峰登山口」の古びた道標があった。

 入口の急坂を登ると道はすぐなだらかになり、スギの植林に入る。間伐もされていない暗い人工林を抜けると、ウバメガシやアセビなど明るい常緑樹林に変わり、ナメ床が点在する沢の右岸を進む。やがて道は沢を渡り山頂から南下する尾根の末端に着いた。

 ここで烏帽子岩経由のコースが別れるが、目前の尾根を直登するコースを行くことにする。道は明確で迷うことはない。約50分で小さなピークに着き、その先でわずかな下り。だが、すぐ胸を突く急登。木や岩をつかんであえぎ登ること1時間。ようやく木立の間から青空が透けて見え山頂稜線に出た。稜線上の縦走路をわずかに進むと、空が広がり大蛇峰の山頂に着いた(写真は烏帽子岩から見た山頂)。

烏帽子岩から見た山頂

 山頂西側の樹木が大胆に伐採されていて、南側180度はさえぎるもののない展望が開けている。優美な曲線を描きながらはるか遠くまで延々と続く七里御浜。そして、年が明けて光量が少し復活した日差しを反射して銀色に輝く熊野灘の光景に感銘した。人間が海を見て心が安らぐのは、遠い昔に生命の起源である海から陸に上がった祖先からのDNAが騒ぎ出すからかもしれない。

 西方を見れば、近くに長尾山や丸尾山、遠くに那智の山々、北西に見える雪を抱く高い山は大峰山脈南部の峰々だろう。頂上では小春日和のような暖かな日差しが降りそそぎ風もない。のんびりと昼休みを過ごした後、烏帽子岩目指して下山開始。山頂稜線をどんどん下降する。トラロープが張ってある所もあり、かなりの急坂だ。鞍部に着き、ザックを置いて身軽になり最後の登りにひとがんばりして巨岩が累積している烏帽子岩に着いた。

 真新しいハシゴを登って岩の上に立つと、山頂より広角の展望が得られた。眼下に美しい浜辺のある新鹿(あたしか)湾や亥谷山(688m)など尾鷲方面の山を望むことが出来た。鞍部から西に下った。スギの美林を通り抜けて気持ちの良い沢の右岸を進む。一枚岩で出来た長いナメ床やトチの巨木。見るべきものの多い山行だった。

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