大垣山岳協会

山書巡歴 ⑨ 登山報告を書くということ

TOPICS・随想・コラム

月報「わっぱ」 2012年12月(No.373)

山書巡歴 ⑨ 登山報告を書くということ

 先日、日本山岳会年報『山岳』107号が送られてきた。当会の久世勝己さんが参加した日本山岳会東海支部のチェマ峰(インド・ヒマラヤ 6105m 2011年8月)初登頂の報告が出ていた。詳細は「わっぱ」11年10月号に出ているので重複は避けたい。

 登山報告書といえば、先進各国の山岳会は毎年、その年の登山成果をまとめて報告書を出している。その中で、最も古く最も権威のあるのが英国山岳会のアルパイン・ジャーナルだ。これに当会が登ったシャー・イ・アンジュマン(アフガニスタン6026m、1968年)の記録が出ていることは大いに誇ってよいだろう。

 一方、『山岳』に当会会員の名前が出たのは上記のアンジュマン初登頂の報告文に高木泰夫、犬飼進、川合延雄、瀬川昂生の各氏(在籍者のみ)、1977年のK2に参加した丹生統司氏だけだから、今回久世さんの名前が出たのは久しぶりの快挙と言っていい。

 なお、こうした登山報告文を書くことが当節、おろそかにされて、やたらと山行案内的なビジュアル本が書店に並んでいる。昔気質の筆者にとって、なんだかお手軽というか奥行きのないモノに見えてしまうが、皆さんはどう感じているだろうか。

(高木 泰夫)

コメント