大垣山岳協会

槍ヶ岳 2012.09.21-23

槍ヶ岳

月報「わっぱ」 2012年11月(No.372)

【 個人山行 】 槍ヶ岳 ( 3180m Ⅱ△ ) 安藤 正明

  • 日程:2012年9月21日(金) ~ 23日(日)
  • 参加者:安藤正、吉田秀、増元雅、宮城裕、阪井俊、成瀬八、高見由(日本耐酸壜山岳部)
  • 行程:
    • 9月21日(金) 会社18:00=高山IC=新穂高温泉駐車場21:45(テント泊)
    • 9月22日(土) 駐車地4:15-穂高平小屋5:00-白出沢出合7:20-藤木リレーフ 7:30- 南沢8:10-槍平小屋8:45-最後の水場10:05-千丈沢乗越分岐11:20-飛騨乗越13:25-槍ヶ岳山荘13:45~14:25-槍ヶ岳14:50-槍ヶ岳山荘15:35(泊)
    • 9月23日(日) 槍ヶ岳山荘6:10-飛騨乗越6:20-千丈沢乗越7:05-最後の水場7:45-槍平小屋8:25-滝谷出合9:35-白出沢出合11:00-穂高平小屋11:55-駐車地12:50=会社19:20
  • 地理院地図 2.5万図:笠ヶ岳・穂高岳・槍ヶ岳

 今まで槍ヶ岳にはいろんなルートで登ってきたが何故か地元の岐阜県側からの直登ルートは一度も登っていないのは気がかりだった。ワゴン車で東海北陸道をひた走り、新穂高温泉深山荘の無料駐車場に着くと既に数百台の車がずらり。なんとか、わずかなスペースを確保してテント泊。

 22日朝、ヘッドランプを点けて出発。「夏道近道」の標識を右折しゴツゴツした岩の急登を進むと穂高平小屋に到着。林道の終点の白出沢出合で沢を渡ると、本格的な登山道になる。入口の「熊の目撃多発注意して下さい」の掲示に気が引き締まる。今年は全国的にクマの大量出没の年らしい。どんぐりなどの食料が不作だと聞く。

 どんどん高度を上げ、中間点の槍平小屋に着く。見上げると飛騨沢のカールは紅葉が始まり恥ずかしそうに赤みを帯びている。

 まだまだ遠い。標高差2000mの登高はきつい。ジグザグを刻んで登っていく。傾斜は一段と急になりペースは牛歩の如し。最後の水場に着くと笠ヶ岳の美しい山容が見えてくる。先週登った野口五郎岳、雲の平、赤木沢の山野が遠くに見えた。難渋に難渋を重ね、胸突き八丁、最後の急登を一歩、一歩よじ登ると日本一高い峠と言われる飛騨乗越に到着。雲の向こうから一度も顔を見せなかった槍ヶ岳の尖峰が眼前に迫り圧倒される。

 主稜線を左折し槍ヶ岳山荘に到着。9時間30分の苦闘だった。ザックを部屋に置き空身で穂先に挑戦、登る人、降りる人で混雑する中を慎重にルートを選びながら登る、鉄ハシゴや鎖の連続、最後の垂直のハシゴをよじ登ると山頂だ。360度の眺望全開。感動と満足感に包まれた。

 夜、山荘で天気予報をみると明朝は「雪」の情報。夜、強い風が吹き雪が降ったようだ。

 朝、雪はやんでいたが、強く冷たい雨が降っていた。当初予定した西鎌尾根から双六小屋経由の下山コースはあきらめ、往路を戻ることにした。全員雨具を付けて視界が閉ざされた道を黙々と下った。

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