大垣山岳協会

葦原谷沢登り-天狗山 2012.07.08

天狗山

月報「わっぱ」 2012年8月(No.369)

【 個人山行・沢登り 】 天狗山 ( 1149.2m Ⅲ△ ) 葦原谷 平木 勤

  • 日程:2012年7月8日(日)
  • 参加者: 平木勤(単独)
  • 行程:大垣6:00=国道417号葦原谷出合6:55-10m大滝8:50-天狗山東ピーク10:20-天狗山11:20~13:00-親谷出合16:25-国道417号葦原谷出合17:05=大垣
  • 地理院地図 2.5万図:美濃広瀬

 葦原谷は天狗山東肩のピークから揖斐川に垂下している谷だ。地形図では深く切り込まれている。一昨日の大雨による増水の状況が心配だ。現地に着くと心配した程の水量ではないので決行する。

 下山用に親谷の砂防堰堤近くに自転車をデポしてから葦原谷出合に戻り出発した。谷出合には工事用モノレールが設置されていた。徳山ダムの水を利用した中部電力徳山水力発電所の建設が今進んでいるが、その送電鉄塔を立てるためものだ。すでに幾つかの尾根に鉄塔が立っている。いずれはこの辺りの空にも送電線が走る事になるのだろう。

 すぐ山腹を上がっていくモノレールと別れて少し奥で沢に下りる。右岸には意外な水量の滝が落ちていた。その先の堰堤は右手側から巻いた。堰堤上にも右岸に滑滝が落ちていた。これも水量が多い。大雨の影響だろうか。

 岩床の流れを越えると一旦谷が広くなり左右に自然林が広がる。この辺りから谷本流に滝らしきものが現れる。滑も、そこそこの連瀑帯も現れる。どのように登ったのか定かでないが一番上の6m滝は右岸を巻いた。やがて小さな滝の水際に古い車の残骸があった。かなり古いものだが、かろうじて原型が残る。おそらくワイヤーであげて山仕事用の小屋として使っていたのだろう。

 車の残骸からわずかで二俣に出た。ここは右に進んでいく。手頃な小滝を楽しんだ先には10m程の垂瀑(写真①)がかかっていた。ここは左岸から簡単に巻けた。更に2~3m程の滝が小気味良く現れる。周りは自然林で気持ちがいい。地形図で想像していたような険しさはなくマイルドな味付けだ。徐々に水流は細くなり幾つかに枝分かれした沢筋を進む。すると狙っていたルートより左に寄り過ぎたことに気付いた。

写真①

 軌道修正して天狗山東ピークを目指しトラバース気味に右に上がる。それほど濃くないやぶをかき分けて稜線上に出るとササやぶの中にわずかな踏跡があった。その先が東ピークだった。積雪期には感じのいいブナの森だが、今日はやぶに囲まれている。

 天狗山山頂までは稜線上のやぶ漕ぎ。初めは所々に薄い踏み跡もあったが、進むにつれてササの密度が増しやがて逆相になり、けっこうきつかった。時折現れる目印テープを追い小さな切り開きに出た。天狗山三角点だ。

 昨年に続き無雪期の登頂は2回目だ。やぶに囲まれ景色は見えないが、何とも言えない達成感に包まれる。見上げれば時折陽が差すいい天気になった。

 下降は予定通り親谷支流の岩又へと向かった。沢筋に出るまでは遮二無二ササやぶをトラバース。シダ類が生い茂る沢筋を急下降。一時間程で滝が現れクライムダウン。昨年の記憶と比べて明らかに水量が多い。簡単に考えていた下降だったが高巻きを強いられるなど意外な苦戦。時間も食う。親谷を渡渉して林道に出ると昨年荒れていた一帯はきれいに整備され車も入れる状態となっていた。対岸の枝沢には雨のために現れたのか立派な滝がかかっていた。

<ルート図>

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