大垣山岳協会

山書巡歴 ③ 超人女流K2に登る

TOPICS・随想・コラム

月報「わっぱ」 2012年6月(No.367)

山書巡歴 ③ 超人女流K2に登る

 K2(8611)は世界第二の高峰である。初登頂はイタリア隊(1954年)。パキスタン側南東稜から登った。日本も77年に同ルートから第2登を果たした。これに、わが会の丹生統司君も参加、8130㍍付近まで達した。

 今回紹介する登山隊は中国から北稜ルートを目指す国際合同隊である。オーストリアからラルフ、ゲリンデのカルテンブルンナー夫妻も加わった。夫人はヒマラヤ・ジャイアンツ(8000㍍以上の山をいう)14座のうち、K2を除く13座全てを無酸素で登頂しているスーパー・ウーマン。もちろん、K2でも無酸素だ。

 途中いろいろあったが、8300㍍まで到達できたその時、キャンプにいた夫のラルフから、これ以上の登攀は無理、戻るようにと伝えてきた。ビバーグすれば、死ぬぞ。テントまで戻り出直そう。だが、彼女は応じない。「ラルフ、ここまで来たのよ。いまさら戻りたくない」。

 「そこで僕たちは限界を超えたんだ。どんなリスク(死を含め)も覚悟したのだ」。

 幸いにも、この時はうまく乗り切れたが、いつもそうとは限らない。そう覚悟したためにたくさんの人が命を落とした。今回生き残れたのは彼らの超人的な能力と強運のせいで、常人が及ぶところではないことを知るべきである。【ナショナル・ジオグラフィック誌】

 (T・Y)

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