大垣山岳協会

烏帽子岳登山道整備作業山行 2012.03.25

烏帽子岳

月報「わっぱ」 2012年4月(No.365)

【 一般山行 】 烏帽子岳 ( 865.1m Ⅲ△ ) 鈴木 正昭

  • 日程:2012年3月25日(日)
  • 参加者:犬飼進、村田正、佐竹良、安藤正、近藤初、藤井利、棚瀬慶、高見眞、鈴木正、清水き、桑原美、後藤友、竹森せ、小林定、岡田裕、説田敏、米山多、清水浩、柴田悦、大野単、大原和、大橋辰、馬場昭、大杉す、大塚花、田中善、外園ヤ、伊藤善、大橋勉、小倉厚、後藤正、水谷清
  • 行程:大垣7:00=細野林間広場(大垣市上石津町)8:00~8:30-大岩コース・展望コース分岐(作業時間)10:10~12:30-林間広場13:45=時まちづくり会館=大垣
  • 地理院地図 2.5万図:篠立

 上石津・時地区の人たちとわが協会の共同作業により、細野コースが開通して満3年。4月下旬の山開きの前、会として毎年この時期に出水や積雪による破損箇所の修復整備作業をしてきたが、今回は例年にない大勢の32人が参加することができた。地元の時まちづくり活動推進実行委員会からは9人が参加。地元勢は標高500㍍以下、我が会はそれ以上の区間と、作業分担を決めた。私たちも32人をAB2斑に分けて、私が属するA斑は大岩コース、B斑は展望コースを担当することにした。

 雲間から時折、陽光が差す朝、まちづくり委が用意した鉄筋や固定用の番線、ツルハシ、ゲンノウなどの工具を持って、樹林の中の登山道に入った。私は整備作業には2回目の参加だが、沿道の樹林の多様性に改めて魅せられた。標高約500㍍までは、ヒノキの人工林を抜けると照葉樹の世界。アカガシの大木がまだらにはがれた木肌を見せて立ち並んでいる。葉裏が白いというシロダモ。常緑の葉はわずかな雪で隠され、白黒の姿を見せていた。樹木の幹には木の名前の看板が掲示してあった。なかなか名前を覚えられない私にとってはとても貴重な現場指導であった。

 コース分岐でAB斑は分かれ、A斑はやや長いトラバース部分で集中作業。道の谷側に渡してある丸太が腐ったり、土砂に流されたりしていた。丸太を取り替え、それを固定する鉄筋を立て、くぼんだ路面に石や土を入れならす。慣れない作業にみんな苦闘。「もっと太い丸太を」「もっと大きい石が欲しい」……。A斑の犬飼現場監督が大声で作業員に指示を飛ばす。雪は思ったほど多くなく、路面にはうっすら土が隠れる程度。何度も人が往来するうちに、路面はぬかるみ、歩くのに難儀するが、やがて道は出来たての姿に戻った。

大岩コースのトラバース道を修復する

 この後、さらに道を登りながら倒木の排除などして、上部のコース合流点に達した。作業の合間を見て、私を含めて6人はすぐ上の山頂に登ってきた。空には黒い雨雲が広がり、藤原町方面の集落が霞の向こうに見えた。

 コース合流点から、路面に設置した横木の補修作業をしながら下った。だが、下部のコース分岐に着いたころから、本降りの雪となり、強風も伴う。気温も下がったようで、動いていないと震えが止まらない。予定した昼食休みはお預けとなった。雪の降る中、しばらく横木の補修をしつつ下降。林間広場に着くと、雪はやんでいた。

 下山後、まちづくり会館の暖かい部屋で昼食を取らせていただくという恩恵に浴した。その際、まちづくり実行委の委員長、阿藤昭博さんにお話をうかがった。

 「年々、登山者は増えているが、なかでも地元の人間で烏帽子岳に登る人が増えてきたことがうれしい。これまで、外部へ登山にでかけても、烏帽子には登らぬ人が多かったのに」

 山々の荒廃は地元住民が見放す時、加速化する。阿藤さんの話を聞いて、うれしく、力強く思った。

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