大垣山岳協会

桑沢山、坊主山 2011.11.17-18

坊主岳

月報「わっぱ」 2012年1月(No.362)

【 週日山行 】 桑沢山 ( 1538.3m Ⅲ△ ) 坊主岳 ( 1960.6m Ⅲ△ ) 村田 正春

  • 日程:2011年11月17日(木)-18日(金)
  • 参加者:村田正、小倉繁、竹森せ、岩田嘉、高橋美、森範宏、加藤冨、犬飼芳、大杉す、馬場昭
  • 行程:
    • 11月17日(木)  大垣6:00=名神・中央道=伊北IC=林道終点9:51~10:08-稜線分岐10:26-桑沢山11:13~12:11-稜線分岐12:44-六夜様12:50~12:57-林道終点13:13~13:28=羽広温泉「みはらしの湯」14:21~15:34=ながた自然公園15:50(泊)
    • 11月18日(金)  ながた自然公園6:29=イノコ沢橋(登山口)7:22~7:39-小坊主(4等三角点)8:47-坊主岳10:56~11:35-小坊主12:47-イノコ沢橋13:28~13:43-大垣17:20
  • 地理院地図 2.5万図:宮木・薮原

11月17日
 週日山行恒例の1泊山行は毎年、大峰山系だったが、今年は豪雨災害で大荒れとなった紀伊半島を敬遠して伊那、木曽に転進した。中央道伊北ICを降りると、西正面にそびえる桑沢山がこの日の目標。山麓の集落を抜け、未舗装の林道を30分かけて着いた終点が登山口。車4,5台が停められる空き地に「桑沢山2400m、六夜様750m」の道標があった。「六夜様」とは不思議な響きだ。隠された歴史や信仰があるのだろうか。

 緩やかで歩きやすい道を登る。西に伸びる枝尾根には冷たい北風もなく、かさこそ落ち葉を踏みしめながら、晩秋の里山の風情を満喫した。20分ほどで、頂上に向かう稜線にでると、こんどは「桑沢山2km六夜様0.2km」の道標。六夜様はすぐ近くにあるようだ。帰りに寄ろう。アップダウンのない稜線を快適に歩いてカラマツやシラカンバの木々に囲まれた山頂に着いた。

 山頂の東側は展望が開け、眼下の伊那谷の向こうに甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳など南アルプス北部の山々や昨年登った守屋山、入笠山の山塊が見えた。薄日が差し、おだやかな山頂でのんびりと昼食をとった。

 帰路、稜線分岐近くの「六夜様」に立ち寄った。稜線の東側に石仏1体と石碑2基が立っていた。村人の信仰の地だったようだ。ここも東方の視界が開け、眼下に蛇行する天竜川が鈍く光り、八ヶ岳連峰、蓼科山、美ヶ原、霧ヶ峰が遠望できた。

<ルート図>

11月18日
 坊主岳は中央アルプス将棊頭山から流れる奈良井川の右岸尾根上にある。お坊様の頭のような姿をしている。平成18年(06年)に開通した高速道路並みの権兵衛街道を通り、奈良井ダム湖沿いの県道にかかるイノコ沢橋を渡ってすぐ右手にある登山口に着く。

 登山道は坊主岳山頂から南西に下りている尾根を上がっており平坦な所の少ない急登の連続である。ジグザグ道を登ってすぐ、祠と神名碑8基が並んでいる平地があった。ここは碑名の一つをとって「白翁神社」と呼ぶようだ。ダムの底に沈んだ「上の原」集落の住民の信仰の場であったらしく、今でも地元民が参拝に訪れているという。

 ここから道はやや不確かになる。やがて、小坊主(1429m)の峰に達した。カラマツやダケカンバの黄色く色づいた姿が目にしみる。ササが高さを増し、背丈を越すほどになった。平泳ぎのようにかき分けて登ることになるが、踏み跡はしっかりしていた。

 急な尾根筋の道を老骨にむち打ちながらひたすら山頂を目指し、低いササ原に覆われた丸みを帯びた山頂に着いた。360度の大展望が開け、南西に御嶽山、北西に早くも雪化粧した乗鞍岳、東南に八ヶ岳連峰、南には中央アルプスの連嶺が縦に連なり一望でき、仲間から大歓声が上がった。Oさんは「この山を散骨の地に決めた」と感激の声をあげた。

<ルート図>

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