「日本百高山」踏破報告 清水 克宏
一昨年、日本山岳会選定の日本300名山を登り終え、現在は地元岐阜県の山を中心に登らせていただいている。
ヤブ山には「名山」にはない新鮮で親密な楽しみがあるけれども、夏場にはやはり高い山が恋しい。調べているうちに「日本百高山」というのがあるのを知った。
これは国土地理院発行の「日本の山岳標高一覧」の標高上位百の山のことで、ジャンダルムなど主峰の付属となる山は除外されている。
各山の標高は、国土地理院が2万5千分の1地形図などの測量データを基礎に、日本の主な山1003山を対象に最高地点の位置・標高等について点検・補足調査を行いまとめた。確かに最近の2万5千分の1地形図には、三角点より最高点が高い場合、その標高が併記されている。
日本百高山の構成は、山域別では、飛騨山脈52山、赤石山脈31山、木曽山脈9山、八ヶ岳連峰5山、それに富士山、御岳、白山となっている。
県別では、長野県67山、富山県29山、山梨・静岡両県19山、わが岐阜県が17山、石川・新潟両県が1山。
メジャーな山ばかりかというと案外そうでもなく、約半数は直登ルートがなく、縦走でないと登れない。
幸い、日本で独自に発達した縦走登山にこだわって登ってきたので、残すは飛騨山脈の旭岳(2,867m)、小蓮華山(2,766m)、東天井岳(2,814m)、横通岳(2,767m)、赤沢山(2,670m)、赤石山脈の小太郎山(2,725m)、八ヶ岳連峰の権現山(2,715m)、木曽山脈の将棊頭山(2,730m)の8山。
今夏の天候不順に悩まされつつも、5回に分けて登った。
そのうち赤沢山(写真)は、槍ケ岳の東鎌尾根近くにありながら登山道がなく、急斜面をハイマツにつかまりながらよじ登り新鮮な緊張感を味わった。
またこれらの山に隣接する白馬三山や北岳などを久し振りに登れたのも懐かしかった。
「完登」というより「踏破」と言いたい経験で今夏を思い出深く締めくくることができた。
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